インド人完全無視カレー | カレーの穴 curry-no-ana.com

インド人完全無視カレー

チキンカレー&トムヤムクン(カリガリ)

インド人完全無視カレー
 カレーの本場と言われる地域は、インドとその周辺諸国。しかし、インド方面で食べられているカレーが、そのまま日本人に受け入れられている訳ではありません。
 インドから英国を経由して渡来、私たちの食卓に定着するまでに、カレーにはさまざまな変化が加わっています。本場の価値観に合わないところがあったとしても、日本の国民食としてのカレーは、日本人にとっておいしいカレーなのです。

 今回試食した「インド人完全無視カレー」は、パッケージの説明によれば「インド人のアドバイスを無視してつくった」というレトルト製品。インド人らしき男性の、やるせない表情が目を引きますね。


 究極のカレーを作るためにインドから一流シェフを招いたものの、結局はアドバイスを無視し、チキンカレーにトムヤムクンを混入してしまったところ、意外にもおいしいカレーができてしまった…という物語が、製品の背景にあります。話題作りを狙った、ある種の“企画モノ”と言えるでしょう。
 ちなみに、販売当初は冷凍パック。レトルトパックで再販された時は、「おいしさ0.8倍」「劣化版」などと謳われました。実際、冷凍に比べてレトルトは風味が落ちるとは言え…無茶なPRです。

 1食180グラム。販売は東京・渋谷のカレー店カリガリ。

 温めてご飯にかけたカレーは、サラサラのスープ状。ミルクコーヒーのような液体を、オレンジ色の油膜が覆っています。なかなかに具だくさんで、イカや貝と思われる、1~3センチほどの切り身がコロコロ。繊維状にほぐれたチキンも見られます。

 インドカレーとタイカレーを合わせたような、何とも独創的なシロモノです。ホットな刺激が利いている半面、すっきりとしたキレもあります。柑橘系の酸味や、魚介類の風味、チキンの旨味などが混在し、それらがココナツミルクによって程良くまめられている印象。
 シーフードとチキン、独立した具材として扱える両者がミックスされているものの、不思議とイヤ味のない仕上がり。おいしく食べられました。

 本当にインド人のアドバイスを無視したのかどうかは分かりませんが、「こうすればおいしくなるはず」との信念によって作られたことは確かでしょう。オチャラケた奴と思っていたのに、根は真面目だった…みたいな。
 考えてみれば、カリフォルニアロールなどは“日本人完全無視巻寿司”と言えなくもありません。新しいおいしさは、旧来の価値観を打破したところから生まれるようです。