世界各地にいろんなスタイルのカレーがあります。シチューっぽく仕上げて欧風に、カツオ出汁を利かせて和風に……。
巷に散見される“薬膳カレー”。これらは中華風のカレーと言えそうですね。
今回訪れた「安定小館(chinese cafe Anding)」は、薬膳料理が食べられるチャイニーズ・カフェです。メニューにはカレーもあります。
熊本市中央区の城東町、上通アーケードの西側。一本竹通の先に建つビルの2階です。
2人掛けのテーブル席が5卓、カウンターには3席ほど。中華っぽい雑貨やアート作品、書籍、ポスターなどなどで雑然としていながらも、不思議と落ち着いた雰囲気が。
体調不良? 欲していたのかも
ランチメニューの中に、目当ての「薬膳キーマカレー」がありました。注文したところ、好きな中国茶を選ぶように求められました。
メニューブックにはたくさんの中国茶がズラリ。選びきれないので、大きく紹介されていた「八宝茶」にしてみました。説明文によると「体調不良を乗り切るために作られたお茶」。
先に中国茶が登場。四角い小盆に、ガラスと白磁の茶器が載っています。3煎ほど飲めるそうで、追加のお湯を入れた保温ボトルが付いていました。
しばし待ってカレーが到着。皿の中央にご飯が盛られ、周りを黄土色のカレーが囲んでいます。クコの実や松の実がトッピングされ、脇にはカボチャの素揚げが添えてあります。ミニサラダ付き。
独特なキーマカレーです。ミンチ肉(大豆ミートと聞きました)はあっさりとしていて優しい味わい。ザクザクとした特徴的な食感は、タケノコが入っているためと思われますが、他にも豆類などが使われている模様。やや遅れて感じられるピリリとした刺激は、中辛程度でしょう。
カレー的な風味もあるけれど、それよりも野菜などの滋味が前面に出ている印象。薬草くささなどは感じられないものの、カレーという料理の“境界”を拡げているような、異質なユニークさがうかがえました。
食後に、中国茶をゆっくりと飲みました。ウーロン茶をマイルドにしたような(卑近な表現で恐縮ですが)印象で、何とも飲みやすい。
カレーもお茶も、体内にスルリと吸収されるように感じられたのは、それだけ身体が欲していたのかも。自覚はないけれど、私は体調不良だったのかも知れませんね。