サンタ・マリア:ビーフカレー | カレーの穴 curry-no-ana.com

サンタ・マリア:ビーフカレー

丁寧に作られた欧風カレー(熊本県熊本市)

サンタ・マリア:ビーフカレー
 かつてカレーは、洋食または欧風料理の一種で、煮込み料理として親しまれていました。やがて情報化社会が到来、海外旅行の機会も増え、アジアのスパイシーなカレー(カリー)が知られるようになりました。そして今では、地方都市にさえ、本格的なインド料理を出す店が登場しています。

 近ごろは洋食系のカレーが駆逐されているようにも見えますが、私は「選択肢が増えただけ」と思っています。日本で独自に“進化”した洋食系自体の魅力が衰えた訳ではありません。家庭料理としてのカレーは、今も洋食系の独壇場ですし。…とは言うものの、洋食系カレー店の新規オープンが少ないのは事実。


 少々寂しい思いをしていたところ、熊本市内に洋食系カレーの専門店ができました。しかも、「欧風」を掲げています。
 場所は、熊本市上通町。ホテル「熊本和数奇司館」の1階に、テナントで入っています。シンプルな店内はカウンターのみ7席。

 注文したのはビーフ。メニューは他に、オムレツやハンバーグなど8種類ほど。共通のルーを使い、具材でバリエーションを出しているようです。

 セットとして、先にサラダが出てきました(食後にドリンク付き)。コールスローや生ハムなどが盛り合わせられ、立派な前菜です。カウンターの向こうでは、誠実そうな風貌のマスターが、ご飯を中華鍋で炒めています。カレーが出るまでに少々時間がかかるため、サラダが“場つなぎ”の役割を果たしているようです。

 カレーは、強い粘度があるものの、小麦粉の重さは感じられません。フルーティーな甘味と酸味が際立っており、スパイシーさは後方に下がっている印象。「甘めのビーフシチュー」と形容できるかも。コクも控え目で、意識的にアッサリとマイルドに作られている気がしました。牛肉は、赤身(フィレ?)がゴロリと2個。キッチリと立方体です。別に煮込んだ塊を、1人分だけ切り分けてカレーに入れてあるようです。
 ご飯は黄味がかったバターライス。フライドオニオンとレーズンが交ざっています。炒めたてなので、バターの風味がとても香ばしい。ただ、使われている量は少ないらしく、カレーと一緒に食べてもクドさを感じませんでした。

 欧風カレーは、食後に胃がもたれてしまうことが多いのですが、サンタ・マリアのカレーには無縁です。適度な満腹感。丁寧な仕事がなされている、なかなかにオツなカレーでした。

後日談 2008年12月に閉店しました。丁寧な仕事が、作る側には負担としてのしかかっていのかも。残念。