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ここは“カレー者”たちの秘密養成所。7つの穴でカレーを極めろ!

BABINGTON’S:チキンカレー

美食の国にもあった!(イタリア・ローマ)

BABINGTON'S:チキンカレー
 私事で恐縮ですが、結婚しました。続く新婚旅行はイタリアへ。…カレー者としてはインド亜大陸を巡礼するべきだったでしょうが、当時はインドが核実験を強行しており、不穏な地域を避けることにしたのです。
 イタリア旅行はミラノ1泊、フィレンツェ4泊、ローマ2泊。2人だけで、行き当たりばったりに旅して回りました。素晴らしかったのは食べ物です。生ハムやピッツァ、ジェラート、ワインなどすべてが美味でハズレ無し。食いしん坊夫婦には、忘れられない日々となりました。

 しかし、私の舌鼓はイタリア料理ばかりに乱打されていたわけではありません。ローマにカレーを出す店があるという情報をキャッチしていたので、限られた食事の機会を1度だけカレーに裂きました。イタリアに来てまでカレーを食べる…人は私を「愚か者」と呼ぶかもしれません。


 その店「BABINGTON’S」は、名画「ローマの休日」で知られるローマ市内有数の観光地「スペイン階段」のすぐ隣にある、英国風の喫茶店です。カレーはチキンとエビ、タマゴの3種類。私はチキンを注文しました。

 大振りの皿に、粘り気の無さそうなご飯が盛られ、ややトロみのあるカレーがかかっています。具は大きな鶏の胸身が数切れ、別に茹でるか蒸すかしたものを乗せてあるようです。一見したところオーソドックスな感じ。

 ところが、ひと口食べて印象がガラリと変わりました。カレー自体は典型的な欧風でしたが、ご飯に大きな特徴があったのです。それは炒飯に近いフライド・ライスで、ひと粒ひと粒が煎られたようにこんがりと焦げ、薄い塩味が付いてポリポリとした食感。このスナック菓子を思わせる奇妙なご飯は、意外にもカレーや鶏肉と相性が良く、口中に不思議なおいしさが広がりました。

 正直なところ、カレーを前にするまでは「イギリス製の缶詰カレーみたいなものが出てくるのでは?」と舐めていました。それだけに、個性的なカレーが食べられた感動は大きかった。イタリアを訪れるカレー好きは必食です。
 ただし、イタリアでカレーは珍品の部類に入るのか、値段は平均的なパスタ料理1皿の3~4倍。特にこだわりの無い人は、素直にローマのピッツァを楽しむべきでしょう。

 ちなみに帰国後、私の体重は3キロ近くも増えていました。イタリア、恐るべし!