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トドカレー

野趣炸裂!海獣カレー(第一食品)

トドカレー
 ゼブラの万年筆にシマウマの毛皮は使われていませんし、ブルドッグのソースに犬のエキスなど入ってはいません。これらは動物の名前を冠することで、製品の持つ躍動感や勇ましいイメージを表しているのです。

 それでは、今回試食の北海道特産「トドカレー」はどうでしょう? トドは北洋に生息する巨大な海獣で、沿岸の海産資源を食い荒らすことから、漁民は“海のギャング”と呼んでいるとか。そんな荒々しい動物をイメージしたカレーとは…いえいえ、そうではありません。缶のラベルを見ると、原材料名に「トド肉」と明記されているではありませんか。そのものズバリ、これは海獣トドの肉を使ったカレーなのです。


 本品は、以前に試食した「えぞ鹿カレー」の姉妹品。北海道の土産物ですが、姫路市の読者がデパートで見つけて送って下さいました。“北海道物産フェア”みたいなイベントで売られていたのかもしれません。

 見た目は濃厚そうな欧風カレー。ところが、缶から出して温めたところ、スパイスの香りに混じって、何とも説明しようのない異様な臭気が漂いだしました。これはいったい…?

 おそるおそるご飯にかけて、まずひと口。カレー自体は見た目以上に濃厚で、強い旨味が感じられます。主役のトド肉は、硬くて脂肪分が少なく、鯨肉のような食感。大和煮さながらのキツい下味が付いているものの、それを押しのけ、何やらヘビーな風味が口いっぱいに。動物園の肉食獣舎の前で食べている気分です。もはや商品としての常識を突き抜けた、強過ぎる個性。平らげるのがひと苦労でした。

 インドの英知が育んだスパイスを以てしても制御できない、圧倒的な野生の風味。食後に部屋の空気を入れ換えたほどです。これは下手物カレーの極北であり、好奇心と覚悟の無い人には勧められません。もらった人の90%以上は怒りだすと思われるので、土産物としては失格かも。ですが、部屋に缶を飾っておくだけでコワモテしそうな気もしますね。