交歓の穴熊本県内

ノンベジを堪能 【お寺でミールス食べさせられ放題!:2024】

ノンベジ仕様のミールス
ノンベジ仕様のミールス

 インドを愛する男性2人の料理ユニット「マサラワーラー」による、夏恒例の食事会「お寺でミールス食べさせられ放題!」。今年も熊本県八代市の古刹・宗覚寺で開催されました。

 例年どおりの2部制でしたが、今回は第1部が「ベジ」、第2部が「ノンベジ」という構成。私は後者を選びました。ノンベジ……肉や魚介類を使った料理は、この食事会では初登場なのです。

 会場は宗覚寺にある、36畳敷の大広間。かすかに漂うスパイシーな香りは、1時間ほど前に終わっている第1部の余韻でしょうか。
 座卓が2列に並べられています。その一角に腰を落ち着け、私は開会を待ちました。

 午後2時。30人近い老若男女が集まり、作りたて熱々の料理が出そろって、食事会のスタートです。
 マサラワーラーの2人が登場し、料理解説とも漫才ともつかないおしゃべりを展開。初登場のノンベジにはチキンやエビなどが使われているそうで、「肉類が入ると重たく感じるんですよね」とのこと。どれくらい食べられるのか……期待と不安が交錯します。

 座卓には、参加者の人数分、B4判ほどの緑色の紙が配置されています。葉脈っぽい模様が印刷されたこの紙はインド産で、食事に用いられ、薄いのに水などを通さないと聞きました。
 前回までは、イベントの世話役である佐賀在住のインド料理愛好家・きょへきさんがバナナリーフを持ち込まれていたのですが、今年は悪天候のせいで収穫できなかったそうです。残念。

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おかわりしながら食べ進む

 食事会が始まりました。マサラワーラーときょへきさんが手分けして、大きなボウルなどに入っている料理を、座卓の食事用紙に盛っていきます。
 まずは、ご飯の白い小山。その周りに続々と、エビのラッサム、カツオのモイリー、白瓜のクートゥ、オクラとナスのクートゥ、オクラとナスのサンバル、チキンカリー、キャベツのポリヤル、ココナツチャトニ、カボチャのクルマ、レンコンのアチャール……。動物系の食材は、エビとカツオ、そして鶏肉でした。

 右手を使って、各種料理を適当に混ぜ合わせつつ、口に運びます。会場にはスプーンが用意されていましたが、堂々と素手で食べることができる機会は大切にしたいものです。

 毎度のことながら、個々の料理の味わいを説明することは難しい。個別に食べても、単調だったり曖昧だったり極端だったりで、あまり魅力が感じられないのです。
 ところが、複数を混ぜ合わせると、とたんに味わいが深まり、グンとイケてくる。何をどのように混ぜれば良いのかは分からないものの、あれこれと混ぜるほどにおいしさが高まることは確かです。

 食べながら気付いたのは、動物系の食材に突出した印象を覚えなかったこと。もちろん、エビのラッサムは強い小エビの旨味が、カツオのモイリーはココナツミルクとの取り合わせが、チキンカリーは肉の食べ応えが、それぞれに特徴的だったのですが。それでも、もたらされるパンチやボリューム感などは、植物系も動物系も同等に感じられるのです。
 和食の精進料理では、ガンモドキのような動物系を模した“もどき料理”によって、動物系の食材への欲求に応えます。これに対してミールスは、そもそも動物系への欲求が生じない、物足りなさを覚えないところが、大きな違いであり魅力なのではないかと思います。

作りたて熱々の料理たち&陽気なマサラワーラーの2人
作りたて熱々の料理たち&陽気なマサラワーラーの2人

 重たく感じると予告されていたものの、私個人としては、ドッカリくるような感覚はありませんでした。
 ご飯のおかわりを2度、エビとカツオとチキンの料理を1度ずつおかわりし、バクバクと食べ進んで満腹になりました。おいしかった。

 マサラワーラーの食事会は、もはや私にとって“夏の風物詩”かも知れません。
 次回の開催を祈念しつつ、宗覚寺を後にしました。

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