いろんなカレーを食べている私ですが、単に“カレー好きの食いしん坊”なだけ。私の舌は、味わいの細部を探れるような鋭敏さなど無く、おいしさに舌鼓を打つことしかできません。
今回訪れた「岡田珈琲」は、熊本では老舗として知られる喫茶店です。創業は昭和20年。
コーヒーを扱っているためか、ここのカレーには隠し味としてコーヒー(インスタント)が入っているそうです。隠し味の“正体”を知った上で、分かるのかどうか試してみたくなり、「辛口 手作りビーフカレー」を食べに訪れました。
店舗は、熊本市の繁華街、上通りアーケードの南口近くにあります。1階はコーヒー豆などを販売する小売店、2階が喫茶店。カウンター9席、テーブルが6卓。使い込まれた調度類が全体にしっくりと馴染んでいて、居心地の良い雰囲気です。
地元の鶴屋デパートや熊本赤十字病院などにも店舗があります。近年は海外に出店しているとのこと。
ビターな味わい コーヒーが隠し味
注文したカレーが到着しました。落ち着いたブラウンで、大きさ1~2センチほどの肉が3個。温泉卵が載り、福神漬が添えられています。ミニサラダとドリンク付き。
欧風のビーフカレーです。小麦粉のものらしい、やや重めのトロみがあります。甘ったるさの無い、どこかキリッとした味わい。野菜などが煮溶けていると思われる、深いコクも印象的。牛肉は少々硬めで、旨味がカレーに出ているようです。
シャープな刺激は、個人的には中辛程度。むしろ塩味が立っており、温泉卵を崩し入れながら食べると、良い塩梅です。ご飯が進みました。
コーヒー入りと知っていたにも関わらず、私ごときの鈍い味覚では感じ取れませんでした。味わいがビターだったような気もしますが…。
分からないように入れるからこその「隠し味」ですから、これで良かったのかも知れませんね。