高級ホテルは国内にも数多くありますが、格式では「帝国ホテル」が一番でしょう。明治23年(1890年)の創業です。
料理においては、シャリアピン・ステーキの考案や、「バイキング」としてビュッフェ形式のレストランを始めたことなどで知られています。
今回試食した「英国風ビーフカレー」は、帝国ホテルのブランドによるレトルト製品です。シンプルでシックでパッケージデザインには、どこか高級感も…。
販売はインペリアル・キッチン。1食200グラム。
レトルトパックもオリジナル製品。「帝国ホテル/伝統の洋食」と書いてあります。
高い完成度、スキの無い正統派
温めてご飯にかけたカレーは、ゆるめの粘度。明るいブラウンで、所どころにオレンジ色の油脂が浮いています。牛肉と思われる、大きさ1~5センチの小塊が7個ほど。ニンジンらしい細片も確認できました。
パッケージのイメージにふさわしい、上品な欧風カレーです。なめらかな口当たりで、刺激は中辛程度。塩味や甘味、酸味などが、バランス良くまとまり、マイルドに仕上がっています。かすかにバターの風味も。
牛肉はしっかりと煮込まれ、繊維質がほぐれる軟らかさ。食べ応えもありました。
完成度の高い、スキの無いカレーです。半面、突出した特徴に欠けるため、かえって印象を薄くしているようにも思えます。バランスと個性、上品さとインパクト…両立は難しいのでしょうね。