変わり種のレトルト製品をいただきました。
食べて味わうだけでなく、読んで楽しむこともできるらしいのですが…。
今回試食したのは「読めるスパイスカレー」。パッケージの端に、小さく「読み物付き」と書いてあります。
化粧箱の中に、カレーのレトルトパックと一緒に、A5判をふたつ折りにしたリーフレットが入っていました。これが“読み物”なのでしょう。
リーフレットを開くと、何やら文字がビッシリ。「発酵する楽器」と題された、楽器についてのエッセイです。書いたのは、インドのタブラという打楽器の演奏家、ユザーンなる人物。オチに梅干しを持ち出しているところを見ると、日本人と思われます。私が無知なだけで、実は有名なミュージシャンかも知れません。
製造は大阪府泉南市のキャニオンスパイス。1食180グラム。
評価したい 多様な試み
温めてご飯にかけたカレーは、茶褐色です。肉や野菜らしい細片がたくさん見え、固形分が多そう。その上をオレンジ色の油脂が薄っすら覆っており、パスタのミートソースを思わせます。
独特のキーマカレーと言えそう。「キーマ」とは書きましたが、本品に肉は使われていません。ミンチに見えるシロモノは、成分表によると「粒状大豆たん白」。ある種の野菜カレーなのです。
トマトの旨味や酸味、それにスパイスの鮮烈な風味が特徴的。口に入れると、クミンやカルダモン、シナモン、ショウガなどの香りが鼻腔へ抜け、後味に残ります。刺激は中辛よりも強めでしょう。
大豆たん白やタマネギなどのザクザクとした食感が、食べ応えにつながっているようです。肉の味わいには欠けるけれど、野菜のおいしさをスパイスが巧みに引き立てており、物足りなさなどは感じませんでした。
パッケージのモチーフは 「DJ MARUKOME」 。味噌メーカー「マルコメ」のキャラクターがアーティスト活動をしているという設定です。
そのマルコメの影響なのか、隠し味に味噌が使われているとのこと。私にはよく分かりませんでした。
このパッケージにはQRコードが載っており、アクセスすると「カレーを食べながら聴けるプレイリスト」が聴ける仕掛けも。ちょっと聴いてみたところ、インド料理店っぽい雰囲気が楽しめました。
食べるだけでなく、読んだり聴いたり、何とも忙しいレトルト製品ですが。多様な試みは評価したいと思います。