“ジャケ買い”ってありますよね。
レコードやCDなどを、ジャケットのデザインに引かれて購入すること。しばしば書籍でも起こります。
レトルトカレーにおいて、私が“ジャケ買い”してしまったのが、この「筑前煮カレー」。いただき物をレビューすることが多いこのコーナですが、今回は自腹です。
多彩な食感が特徴
ドドンと押し出しの強い、職人然とした男性のインパクトに釣られ、思わず購入した訳ですが。
パッケージの説明によると、この人物は東京・白金高輪にある焼き鳥屋「鬼わそと」の店主。同店のまかない料理として考案されたカレーをレトルト製品化したものが本品なのです。
販売は、三重県桑名市のヤマモリ株式会社。1食200グラム。
温めてご飯にかけたカレーは、チョコレートを思わせる、つややかな焦茶色。ユルいトロみがあります。見た目は、実に具だくさん。大きさ1~2センチにカットされた、ニンジンやコンニャク、鶏肉などが、コロコロと入っています。
カレーの作りは、旨味で食べさせる日本風。和風ダシの風味も利いており、ご飯が進みます。万人向けのマイルドな味わいですが、かすかにシャープな刺激も。
大きな特徴は、多彩な食感。クニクニとしたコンニャク、シャキシャキとしたタケノコ、サックリと噛み切れるレンコン、それにシイタケやゴボウなどが、代わる代わる歯や舌を刺激します。それでいて、全体がカレーとしてゆるやかにまとまっている。仕上げに入れるという「秘伝の焼き鳥のたれ」の効果と思われます。
いささか“無理矢理”っぽい印象を抱いていたものの、実際に食べてみたところ、違和感を覚えることのない完成度の高さがうかがえました。パッケージを独占する店主の姿は、カレーへの自信の表れなのかも知れません。