鹿児島県の郷土料理「軟骨煮」。
豚の軟骨部分を、醤油や味噌で煮上げたもの。ビールも焼酎もご飯も進む、おいしいひと品です。
今回試食した「大隅産 黒豚軟骨カレー」は、この軟骨煮を応用したレトルト製品。鹿児島県大崎町にあるレストラン「キッチンシュエット」のカレーが元になっているようです。
透明なビニールパックによる簡易包装で、パッケージの右隅に「カレー第2弾!」。調べてみたところ、第1弾は「鹿児島おおさき和牛マンゴーカレー」でした。カレーやレトルト製品に力を入れている店なのでしょうね。
もっと食べたいと思わせる
製造はキッチンシュエット。1食180グラム。
温めてご飯にかけたカレーは、明るめのブラウン。固形分も油脂も多そうで、モッタリとした重さがあります。豚軟骨と見られる、大きさ5センチほどの白っぽい小塊がひとつ。その周りに、煮崩れた肉のカケラが見えます。
旨味の強いポークカレーです。ネットリとした粘度の強さは、小麦粉由来のみならず、溶け込んだゼラチン質も影響している模様。スパイスの刺激は穏やかで、中辛より弱めと思われます。
軟骨部分は、弾力に富んだ白い部位、ここのピリリンとした食感が印象的です。加えて、繊維質が密集した赤身部分、フルフルに軟らかくて甘い脂身部分、それぞれに味わい深かった。
食後、「もっと軟骨が入っていれば」などと不満も。
ですが、食べる側にそう思わせたことで、土産物としては“合格”かも知れません。不満という余韻のおかげで、軟骨煮そのものや、和牛マンゴーカレーを食べたくなってしまったので。