熊本県の中部にある、有明海へ突き出ている三角半島。
細長いこの半島を通るJR三角線には、県内最古という木造駅舎の駅があります。併設のカフェでカレーが食べられると聞いていたので、機会を見付けて立ち寄りました。
今回訪れたのは「網田レトロ館」。JR網田駅を委託管理するNPO法人が運営している、駅舎併設のカフェです。
宇土市下網田町の国道57号線沿いにあるJR網田駅。色あせた赤い瓦屋根が目印です。開業は明治32年(1899年)とのこと。古びた木の柱や、板張りの壁などに、歴史が感じられます。
カフェは駅舎内に併設。使い込まれて光沢が出ている木製の机や椅子、駅のホームに面した木枠のガラス窓、飾られている骨董の鉄道標識……これらが一体となり、何とも居心地の良い空間を生んでいます。
トッピングの野菜類が鮮やか
卓上のメニューブックを開くと、カレーのほか、ピザやパンケーキ、ドリンク類などが並んでいます。
目当ての「季節のカレー」を注文。ちなみに、この時は同行者がいまして、こちらは「季節のオムカレー」を注文しました。
しばし待って、カレーが到着(写真手前)。地元の作陶家が手掛けたという、網目模様の皿に盛られています。カレーライスには、トマトやジャガイモ、ナス、菜の花などがトッピングされ、鮮やかなビジュアル。ところどころに散らされている薄い欠片は、キクイモのチップスとのこと。地元産のネーブルが、小皿で付いていました。
優しい口当たりのカレーです。ポタージュ状の自然なトロみで、タマネギやニンジンなどがたくさん煮溶けている模様。フルーティーな酸味や、トマト由来と見られる旨味が利いています。時間差で拡がるピリリとした刺激は、中辛程度でしょう。
トッピングされた色とりどりの野菜類は、揚げたり茹でたり、それぞれに処理されていて、食べ進むのが楽しい。特に印象的だったのはキクイモのチップスで、香ばしさがカレーのアクセントになっていました。
オムカレー(写真奥)は、薄焼き卵をご飯にかぶせたもの。カレー自体は同じでした。
あいにくの雨模様だったのですが。雨に濡れる鉄道ホームが窓越しに見えたりして、味わい深いものがありました。
この光景に列車が加われば、またイイ感じになりそう。列車が来るまで、粘ってみれば良かったかなぁ……。