熊本県を代表する観光地のひとつ、阿蘇山。
火口がある阿蘇・中岳へ伸びる阿蘇登山道路の途中に、草千里（草千里ヶ浜）という広大な草原があります。草原に面して、博物館や土産物店、レストランなどが設けられ、こちらも人気の観光地です。
今回訪れたのは、インド・パキスタン料理店「WELCOME RESTAURANT」。たまたま先日、輪行（公共交通機関を活用したサイクリング）で草千里を通りかかった時に遭遇したのです。
草千里駐車場に建つ、古びた土産物店「グリーンパーク」の一角。「NAN&CURRY」などと大きく書かれた看板や、キラキラ光るモールを多用した装飾など、やたらと派手な店構えが目を引きます。
店内には、４人掛けのテーブルが10卓ほどあり、草原が見渡せる大窓に沿ってカウンター席も。色鮮やかな風船やイラスト、紙細工、モールなどが、ケバケバしく飾り付けられています。とは言え、すべての飾りがどうにもチープで、そのせいか妙に寂しい、“場末感”みたいな雰囲気が生じているのでした。
雰囲気の落差 頭がクラクラ
食事のメニューは「カルデラカレー」「ボルケーノカレー」「ビリヤニ」の３種類。店外にはさまざまな料理の写真が掲示されているのですが、この日は休日だったせいか、品数が絞ってあった模様。
私はボルケーノカレーを、同行していた輪行仲間はカルデラカレーを注文しました。
しばし待ってカレーが到着。インディカ米のご飯が、三角形に盛られています。“山”の高さは約10センチ。そのふもとには赤褐色のカレーがたゆたい、ちょうどマグマっぽい感じに。ご飯の山頂からカレーがひとすじ流れ出ていたりして、芸が細かいですね。カレーの脇にはミニサラダ。ドリンクバーが付いていました。
カルデラカレーの方は、ご飯がドーナツ型。中心の穴にミニサラダが、外縁を囲むように黄色いカレーが盛られていました。
インド風のチキンカレーです。旨味が強くて、意外にコッテリ。スパイシーではあるものの、刺激は控えめです。ご飯は風味豊かで食感がフンワリしており、カレーと合っていました。
具材は、大きさ２センチ前後のチキンが４個ほど。ジューシーで軟らかく、食べ応えがありました。
カルデラカレーの方は、豆のカレー。味見させてもらったところ、素朴で優しい味わいが印象的でした。
カウンター席でカレーを食べつつ、窓ガラスの向こうへ目をやると、緑の草原に牛や馬が点在する、雄大にしてのどかな風景が。屋内と屋外の雰囲気の落差に、頭がクラクラしてきました。
非日常を体験することが、旅行であり、観光でしょう。……ならば、この店はオススメの観光スポットと言えるかも知れません。
