沢木耕太郎の旅行記『深夜特急』。
これを読んでバックパッカーにあこがれた人は多いでしょうし、実際にユーラシア大陸へ旅立った人も少なくはないでしょう。私は前者止まりですが。
今回訪れたカレー専門店「深夜特急」。店名の由来は、やはり沢木の名著なのでしょうか?
熊本市中央区の出水8丁目。スーパーマーケットなどが建ち並ぶ裏通りに面しています。
小体な店構えで、道路側の窓ガラスに書かれた「curry rice 深夜特急」の文字が目印。店内はカウンター6席。内装はシンプルですが、控えめな調度品などにセンスが感じられます。
開店と同時に客席が埋まってしまう人気店。店舗の前には、しばしば4~6名ほどの行列が見られます。
キレのある刺激が特徴的
メニューは「深夜特急カレー」「キーマカレー」の2種類。
店名を冠する深夜特急カレーにしました。辛さは中辛・辛口・激辛から選べるそうなので、辛口をチョイス。
カウンターの内側では、ヒゲ面のマスターが1人で立ち働いています。仕事ぶりが丁寧と見え、その分、いささか待たされました。
カレーが到着。スープ状で、ポタージュよりもユルい程度。チャコールブラウンの表面に、赤い油脂が浮いています。チキンの手羽元肉が2本。ご飯の脇には、ジャガイモのサラダ「アルブルタ」が。
完成度の高いチキンカレーです。キレのある刺激が特徴的で、鮮烈ながらも後を引かず、余韻をわずかに残すカンジ。酸味や甘味のバランスも良く、肉の旨味を巧みに引き立て、深い味わいを生んでいました。
手羽先肉は軟らかく、スプーンだけで骨から簡単に外れます。半面、ジューシーさが保たれていました。アルブルタにはクミンが利いており、カレーやご飯に混ぜてみると、食感の変化も手伝って格好のアクセントに。
福岡の名店の味を受け継いでいるとのこと。私自身は、東京・上野の老舗「デリー」を思い出しました。
隣席の人が注文していたキーマカレーもおいしそう。次はそっちを食べたいなぁ。