家庭料理としても親しまれているカレー。全国の各家庭に、「ウチは牛肉しか使わない」とか「隠し味はインスタントコーヒー」などなど、カレーを作る際の“流儀”というか“秘伝”みたいなものがあったりします。
とは言え、そのような“秘伝”に出合える機会は、意外と少ないものです。
今回試食したのは「松井家秘伝のカレー」。日米のプロ野球界で活躍した松井秀喜氏の、実家のカレーを再現したというレトルト製品です。
分からないからこそ…
一般家庭のカレーをありがたがる人は少ないでしょうが、「ゴジラ」と呼ばれた強打者が食べていたとなれば、話は別。パッケージでは、松井氏が「このカレーの味は、僕が子どもの頃から慣れ親しんだ母の味にそっくりです」と説明しています。トクベツな何かを期待してしまいますよね。
販売はニッポン放送。松井氏は石川県の出身ですが、“ご当地カレー”という訳ではないようですね。1食200グラム。
温めてご飯にかけたカレーは、濃いブラウン。粘度はユルめです。薄切り肉が4~5切れ。大きさ4センチほどのジャガイモと、2センチ前後のニンジンが1個ずつ。
日本風のビーフカレーです。全体的にマイルドで、強い旨味が利いています。シャープな酸味も特徴的。スパイスの刺激は、表示の「中辛」よりは弱いでしょう。
牛肉は煮込まれていて、とても軟らか。ジャガイモもニンジンも、口の中でホロホロに崩れます。食べ応えのある具材のおかげで、適度なボリューム感も。
おいしいカレー。なのですが、突出した個性や、珍しい工夫などは見られません。良くも悪くも“家庭のカレー”です。
松井家の秘伝は、どこにあるのか? 私には分かりませんでした。考えてみれば、分からないからこそ秘伝と言えるのかも知れませんが…。