日本においてカレーは、軍隊を通じて普及したとされます。そのエピソードを活かし、横浜や横須賀などでは“ご当地カレー”が考案され、人気を博していますね。
今回試食した「鹿屋海軍航空カレー」は、鹿児島県鹿屋市の“ご当地カレー”。かつて同市にあったという旧日本海軍の航空基地にちなんだレトルト製品です。
黒豚使った洋食風
レトロ感のある渋いパッケージですが、戦闘機の輪郭が型押しされているなど、妙な所が凝っています。裏面には地元の名所らしい写真が印刷されており、観光客向けの製品であることが分かります。
販売は鹿屋大隅地域おこし公社。1食210グラム。
温めてご飯にかけたカレーは、くすんだ黄土色。表面が油脂でキラキラと光っています。ネットリとして粘度が高く、固形分が多そう。肉や野菜らしい具材が入っているようですが、見ただけではよく分かりません。
洋食風のポークカレーです。小麦粉やデンプン由来と思われる、重めの口当たりが特徴的。肉の旨味や、フルーティーな甘味も利いています。ピリリとした刺激は、中辛程度でしょう。
肉は黒豚使用とのこと。0.5~1センチほどの粒状ながら、味わいが濃く、意外と存在感がありました。
おいしいカレーではありますが、どのあたりが“海軍”なのかは、やや疑問。
とは言え、少なくとも戦争の遺物が観光資源として役立っていることは確か。平和が一番ですね。