JR博多駅は、福岡市の玄関口であるだけでなく、九州の玄関口とも言えるでしょう。鉄道駅としても商業施設としても、九州では最大規模。大勢の人々が出入りする、交通の要衝なのです。
今回訪れた「印度カレー」は、JR博多駅の駅ビルにあるカレー専門店。40年以上もの間、この地に店を構えているそうです。
万人向けのおいしさとボリューム
駅ビルを構成する「博多デイトス」の地下1階東側、飲食店が集まる一角にあります。カレースタンドとファミリーレストランが入り混じったような店構え。暖色系で統一された明るい店内は、カウンター16席、2人掛けのテーブルが3卓ほど。
メニューブックによると、この店は1971年創業。駅ビルに移転したのは1975年とのこと。立派な老舗ですね。
一番人気は「インデアンカレー」。また、トンカツやコロッケ、チーズなどを組み合わせ、20種以上のバリエーションを出している模様。
今回はインデアンカレーを注文してみました。
独特なシロモノが登場しました。皿に盛られたご飯はドライカレー。正確にはカレー風味のチャーハンです。この上に、6センチほどの大きさのハンバーグが鎮座し、モッタリとしたカレーがかけられています。
ドライカレーは熱々の炒めたてで、スパイスが強く香ります。具はタマネギとグリンピース、ブタの細切れ肉、そしてレーズンなど。
粘度の強いカレーは、欧風と言うよりは日本風。小麦粉由来の重い舌触りで、給食のカレーを思わせます。シャープな刺激は中辛程度で、子供にはキツいかも。2センチ前後の牛肉が数切れ入っていました。
載っているハンバーグは、細挽きのミンチ肉がミッシリと凝縮し、どこか肉団子っぽい印象。それだけに食べ応えがありました。
カレーとハンバーグとドライカレー…3者のさまざまな味わいや食感が、口の中で渾然一体に。誰が食べても満足するであろう、万人向けのおいしさとボリュームでした。
さまざまな飲食店が移り変わってきた場所で、変わらずに居続けている…そんな老舗の“真髄”に触れられたような気がします。