チョウザメの卵「キャビア」は、高級食材の代名詞的。庶民の口には、そうそう簡単には入りません。
それでは、チョウザメは? キャビアの“親”に当たるチョウザメの方は、食材としてどうなのでしょう?
今回試食した「宮崎産チョウザメカレー」は、チョウザメが入ったレトルト製品。宮崎県では2004年からチョウザメの完全養殖が行なわれているそうで、パッケージの裏面には「宮崎は日本一のチョウザメ生産地」と大きく印刷されています。“ご当地カレー”ですね。
団子状…魚肉ソーセージ思わせる
チョウザメという魚は、サメとは別種の淡水魚。パッケージのイラストからは味わいがイマイチ想像しにくいのですが、その身は淡白で、美容成分や健康成分が豊富に含まれているそうです。
製造は宮崎市の食品加工会社「器」。1食200グラム。
温めてご飯にかけたカレーは、濃いブラウンです。粘度はドロリと重め。固形分が多そうに見えるものの、見える具材は4個。魚肉を丸めてあると見られる、直径1.5センチ前後の団子です。
カレーは欧風の作り。強い旨味に加え、フルーティーな酸味が際立っています。なかなかにスパイシーで、刺激は中辛よりも強めと思われます。魚介系の風味などは、カレー自体には感じられません。
特徴的だったのは、4個の魚肉団子です。歯応えはブリンとしていてカマボコっぽいけれど、ミンチ状の魚肉はツミレみたいな食感。味わいは、やはり“クセの無いツミレ”という印象でした。
庶民的なテイストのカレーです。畜肉の代わりに魚肉ソーセージを入れていた“昭和のカレー”に通じる、懐かしいチープさがうかがえました。
キャビアからイメージされる味わいとは、対極に近いかも。それはそれで、食べ甲斐のある、面白いカレーと言えるでしょう。