なぜか時どき無性に食べたくなるのがチャンポン。私だけでしょうか?
ところが、メニューの中に“カレー的”なバリエーションを見かけると、ついそちらを注文してしまったりするのです。カレーピザ然り、カレーたこ焼き然り。
今回はチャンポン専門店「醤(ひしお)」を訪れました。当初は、純粋にチャンポンが食べたかったのですが……。
熊本市中央区の坪井2丁目。仁王さん通り沿いの路面店です。
店内は明るく清潔な印象。テーブル席が3卓、厨房側と道路側にカウンターが5席ほど設けられています。
ご飯を投入してもイケる
メニューの中心は「醤油ちゃんぽん」。それにネギやホルモンを加えることでバリエーションを出しています。
通常のチャンポンを食べるはずだったのですが。たまたま「カレー醤油ちゃんぽん」が目に入り、思わず注文していました。
野菜を炒める音に耳を傾けていると、やがてチャンポンが到着。キャベツやモヤシ、キクラゲ、インゲンなど、山盛りの野菜類の間に、豚肉やエビ、カマボコなども見えます。一見すると普通のチャンポンですが、茶色がかったスープや、スパイシーな香りが、“カレー的”な特徴を示しています。具材の頂点を彩るコーンも、このチャンポンならではのトッピングであるようです。
おいしいチャンポンです。シャッキリと炒められた野菜が印象的。チャンポン麺のモッチリ感も良い具合。スープの醤油味をさらに引き立てる、スパイスの適度な刺激も手伝い、箸が止まらなくなりました。
ふと気が付けば、丼の中は野菜とスープだけに。いつの間にか麺を食べ尽くしていたのです。チャンポンという料理では、麺も野菜も肉も同列の具材であり、麺料理として楽しもうとすると、しばしば具材のバランスが崩れてしまう。麺料理ではなく“麺入り料理”と表現すべきかも知れません。
私は一計を案じ、追加で「ご飯セット」を注文しました。ご飯と漬物、煮込み豚軟骨のセットです。茶碗のご飯を丼に投入し、豚軟骨をトッピングしてみたところ、極上のスープカレーが爆誕したではありませんか。心中「よっしゃ!」とガッツポーズを決めつつ、サラサラと平らげました。
おいしいチャンポンが食べられる店では、おいしいカレーチャンポンに出合えるようです。その店に“カレー的”なバリエーションがあればの話ですが。
そして、おいしいカレーチャンポンが食べられる店では、おいしいスープカレーに出合えるようです。その店にご飯があればの話ですが。