シンガポールの名物料理とされるフィッシュヘッドカレー。
何年も昔のことになりますが、私もシンガポールで舌鼓を打ったものです。その味を家庭で再現しようと試みたこともあります。
今回試食したのは「天草ぶり フィッシュヘッドカレー」。本場ではタイが一般的らしいのですが、本製品はブリの頭を使っているそうです。
“インド風のアラ煮”みたいな風情
天草市牛深町にある熊本県海水養殖漁業協同組合の販売。ブリは養殖モノと見られます。
内容量は1食300グラム。頭が入っているとあって、通常のレトルトカレーに比べ、かなり多めです。化粧箱も大きい。
カレーの量が多かったので、温めてそのまま皿に開けました。サラリとしたスープ状で、オレンジがかった油脂の層が覆っています。ブリの頭は、左右に15センチ、上下10センチほどの半身。パッケージ写真にあるようなパクチーやピーマンなどは入っていませんでした。
別皿のご飯に、カレーを少しずつかけながら食べました。ブリのクセは強いけれど、ココナツミルクやスパイス類と合っており、全体がまとまっている印象。中辛よりも強めの刺激です。
ブリの頭にこびり付いている身やゼラチン質などは、味わいも食感もさまざまで、食べていて楽しいものがあります。特に目玉のあたりがウマい。
“インド風のアラ煮”みたいな風情だけど、アラ煮と異なる大きな特徴は、骨がとても軟らかいところ。製造時の加圧加熱殺菌によるものでしょうか、口の中でホロホロに崩れるのです。独特のおいしさでした。
魚くささが苦手な人には、ちょっと厳しいかも。ですが、骨ごとガブリと食べられるフィッシュヘッドカレーは、レトルト製品ならではの魅力と言えそうですね。