全国的に知られる、桃太郎のおとぎ話。
地域的には岡山県が舞台とされているようですが、ちょっと調べてみたところ、山梨県や香川県、愛知県、奈良県などにも“発祥”の説があります。それだけ人気者なのでしょう。
今回試食した「桃太郎カレー」は、岡山県の“ご当地カレー”。観光地の土産物店などで、広く販売されているそうです。
穏やかな甘味でマイルドに
パッケージに「岡山県産桃ピューレ使用」と書かれ、裏面の原材料名にも「白桃ピューレ」とあります。桃太郎にちなんだ、桃入りのカレーなのです。
販売は倉敷市の三盛物産。1食200グラム。
温めてご飯にかけたカレーは、くすんだブラウン。粘度は高く、モコモコとした外観は固形分の多さを物語っています。具材は判然としないものの、大きさ1センチ前後のニンジンらしい複数の細片が見えました。
旨味の強いビーフカレーです。見た目とは裏腹に、意外と重さが感じられないのは、デンプンを多用しているためでしょう。穏やかな甘味が特徴的で、マイルドなおいしさを生んでいます。ヒリリとした刺激は、中辛よりやや弱め。
牛肉らしい細片もチラホラ入っていたようですが、存在感はほとんどありません。このカレーの“主役”は、カレーにひそんでいる桃なのです。ひそみすぎているようにも思えましたが。
名物の桃を打ち出し切れていない、残念なカレーでした。
桃太郎にちなむなら、例えばカレーをピンクに染めるとか、具材に吉備団子とかキジ肉を使うとか…私の発想も残念ですね。失礼しました。