アフリカにカレー料理は存在する? 「ある」とも「ない」とも言えるようです。
香辛料を利かせた煮込み料理が作られているそうなので、これを“広義のカレー”と認めるならば「ある」。認めなければ「ない」でしょう。
今回訪れた「GHANA kitchen BAOBAB(ガーナキッチン・バオバブ)」は、アフリカ・ガーナ料理の専門店。メニューの筆頭はカレーです。どんなものが出てくるのでしょうか?
ピーナツの香ばしさ前面に
山口県山口市の中心街、JR山口駅前から北西に伸びる「駅通り」沿い。赤・黄・緑に黒い星をあしらったガーナ国旗が目印です。
飾り気のない、ナチュラルな雰囲気の店内。にこやかな黒人男性が、キッチンで立ち働いています。1階はカウンター3席、4人掛けのテーブル2卓。2階には10人ほど入れそうな座敷があります。
カレーは「ガーナカレー」と「バオバブカレー」。両方とも注文してみました。
この他、メニューには「オモツォ」「ワチェ」「スーヤ」「ペペ」など、ガーナ料理の珍しい名前が。
テーブルに料理が到着。ガーナカレー(写真上)は濃い赤褐色で、刻んだオクラやタマネギがたっぷりと入っています。バオバブカレー(写真下)は明るめの黄土色で、鶏身やオクラを確認。セットメニューで注文したところ、ミニサラダとドリンクが付いていました。
ガーナカレーは、トマトの旨味と、野菜の滋味が活かされていて、何ともやさしい味わいです。オクラのシャクシャクとした歯応えや、ネットリとした舌触りが特徴的。埋もれるように鶏の手羽元が2本入っており、ボリュームも充分でした。
バオバブカレーは、ピーナツの香ばしくて濃厚な味わいが前面に。マイルドにしてクリーミーで、スパイスの風味はほとんど感じられません。“広義のカレー”にギリギリ入るかどうかというところ。
辛さを求める人のために、緑色の唐辛子ペーストが小鉢で出てきます。ガーナ風とのことで、なかなかに鮮烈な刺激。どこか柚子胡椒に似ていました。
ガーナ料理に興味を持ってもらうための“仲介役”として、カレーが活用されているのでしょう。おかげで、オモツォやスーヤなども食べてみたくなりました。