数カ月前、私は香川県の高松市を訪れました。
その直後に新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、全国的に自粛が叫ばれることに。探訪していた店もあるのですが、リポートを載せられるような雰囲気ではなくなってしまい、後回しになっていました。
店名は「鶴丸」。讃岐うどんの専門店で、カレーうどんが有名なのです。
私は十数年前にも高松市を訪れたことがあり、その時は「五右衛門」という店でカレーうどんを食べました。今回の「鶴丸」は、カレーうどんにおいて「五右衛門」と人気を二分すると言われます。
モチモチの極太麺
高松市の古馬場町。飲食店が軒を並べるアーケード街の東方、フェリー通り沿いにある路面店です。
店内は奥に細長く、カウンター10席、4人掛けのテーブルが4卓ほど。決して広くはないものの、午後8時の開店直後にも関わらず、ほぼ満席でした。
にぎやかな会話の背後に、うどんをダンダンと切る力強いリズムが響いています。
品書きには肉うどんやぶっかけうどんなども並んでいたけれど、迷わずカレーうどんを注文。ざっと見回してみたところ、ほとんどの客がカレーうどんを食べているようでした。
外国人観光客が多いのか、客席には英文のメニューも。カレーうどんには「One of our renowned dishes.」と書き添えられていたので、海外にも通用する自信作なのかも知れません。
中ぶりの丼が出てきました。濃厚そうなカレーの中に、極太のうどんがうねっています。具材はタマネギや牛肉の細片など。中央にトッピングされた、小ネギの緑が鮮やかです。
カレーの風味と、和風ダシの旨味が、しっくりと調和。マイルドにしてフレンドリーなおいしさがあります。うどんに絡みやすい半面、あまり重くは感じない、ユルいトロみも良かった。
存在感のあるうどんは、成人男性の小指ほどはありそう。打ちたて、茹でたての麺は、エッジが立っています。ですが、決して硬い訳ではなく、モチモチとした優しい弾力が印象的でした。
カレーうどんを食べてから数カ月。自粛要請や移動規制が解除されたことを受け、リポートを掲載しました。
コロナ禍の脅威が去り、また各地のおいしいカレーを自由に食べ回れる日が来ることを願うばかりです。