かつて世界最大級の金山を擁していたという、新潟県の佐渡島。
実は銀山もあって、そちらも大規模なものだったそうです。私は最近知りました。
知るきっかけとなったのが、今回試食した「佐渡 金銀山 島カリー」。新潟県の佐渡島を観光した人から、お土産にいただいたレトルト製品です。
パッケージには「佐渡バター&西三川産りんごジャムと/銘柄鶏『越の鶏』を使用」などとあります。調べてみたところ、バターとジャムは島内の手作り製品、銘柄鶏は新潟県を代表するハーブ鶏の一種とのこと。
また、化粧箱の中には、カレーのレトルトパックと一緒に、金箔の小袋が入っていました。……佐渡島という土地に対する、強いこだわりが感じられますね。
強い印象 “ご当地カレー”のお手本
販売は東京都渋谷区の「36チャンバーズ・オブ・スパイス」。1食の分量が「180.02g(カレー180g、別添金箔0.02g)」と表示されており、これは“金箔が確実に入っている”という主張なのでしょう。
温めてご飯にかけたカレーは赤褐色で、モリモリとして固形分が多そうな様子は、どこか火山のマグマを思わせます。鶏肉と見られる、大きさ1~5㎝の小塊が4個ほど確認できました。小袋の金箔をふりかけてみると、キラキラとした輝きが、マグマ的なカレーに映える、何とも不思議なビジュアルが出現。
濃厚なバターチキンカレーです。トマトの旨味とバターの香ばしさがマイルドにまとまって、コクのあるおいしさに。辛さは甘口に近いけれど、スパイスは風味豊かで、カルダモンなどの芳香が利いています。
軟らかくてクセのない鶏肉は、このカレーでは“脇”に回っている印象。むしろ、時おりジャリッと歯に触ったりするホールスパイスの方が、存在感が強かったように思えます。
金箔は消化も吸収もされないので、カレーの味わい自体には何も影響しないはず。しかし、佐渡島を強くイメージさせるカレーを作るとなれば、外したくはないアイテムであったと推察されます。
カレーのおいしさとともに、金箔のキラめきが強い印象を残す……“ご当地カレー”のお手本みたいな製品です。