外皮がトゲに覆われているサボテン。私たち日本人には観賞用としてなじみ深い植物ですが、海外では料理にも使われるそうです。
今回試食した「サボテン グリーンカレー」は、サボテンの果肉が入ったレトルト製品。静岡県伊東市にあるテーマパーク「伊豆シャボテン公園」で売られているらしく、一種の“ご当地カレー”と言えるでしょう。
パッケージの裏面には「メキシコではサボテンが(中略)八百屋さんで売られています。(中略)美容と健康に良いヘルシー野菜として人気があります」。ややクドい説明の背後に、「珍品だが、ゲテモノではない」というメッセージが隠されているようです。
タイ風よりも色合いビビッド
販売はサボテンパークアンドリゾート。1食200グラム。
温めてご飯にかけたカレーは、独特なオリーブグリーン。タイ風のグリーンカレーよりもビビッドに見えます。粘度は強め。豚バラ肉と見られる2~3センチの小塊4個と、細長くカットされたサボテンの果肉らしい具材が10切れほど確認できました。
外観とは裏腹に、旨味の強い日本風の作り。舌触りが妙にネバネバとしており、これは増粘用デンプンの効果と見られます。良く言えば「昔懐かしい」、悪く言えば「古くさい」味わいです。
“主役”のサボテンは、このカレーにおいては味もクセもほとんど感じられません。トロリと軟らかくて、緑色の薄皮が付いていなければ、タマネギと区別ができなかったかも。
緑色でネバネバしていて、どこかスライムを連想してしまうカレー。“ゲテモノ感”を打ち消したいのか、打ち出したいのか…作り手の迷いがうかがえました。