ラーメン専門店で、メニュー表にカレーを見かけることがあります。けれど、カレー専門店のメニュー表で、ラーメンを見かけることはほとんどありません。
「国民食」と呼ばれるカレーとラーメンの、この違いは何でしょう? ラーメンよりも比較的、カレーの方が“手を出しやすい料理”ということなのか?
今回訪れたのは「らーめん 三楠」。ラーメン専門店でありながら、メニュー表には「黒カレーライス」が載っています。
熊本市の繁華街、下通アーケードから酒場通を南へ入った、下通センタービルの1階にあります。豚骨ラーメンが主流とされる熊本で、醤油・塩のラーメンを専門に提供。店の内外に「トンコツはありません!!」と大きく掲示してあります。
奥に細長い店内は、カウンター6席、2人掛けのテーブル2卓。夜のみの営業で、ジャズが流れる中、男性2人が立ち働いています。
竹炭や生クリームを使用
醤油味と塩味のラーメンを中心に、つけ麺やギョウザなど多彩なメニュー。目当ての黒カレーライスは、数量限定とのことで、「小」と「大」があります。
私は黒カレーライスの小、そしてつけ麺を注文しました。ラーメン屋でカレーだけ食べるのも気が引けたので…。
直径12センチほどの小丼に入って、カレーが登場。レンゲが付いています。カレーはチャコールを濃くしたような黒色で、表面がツヤツヤと光っています。ポタージュ程度のトロみ。具材らしき物は見えないものの、飯粒とは異なる何かが入っている様子。
食べてみたところ、実にクリーミーな口当たり。スパイシーさはあまり感じられず、コクのあるマイルドな味わいです。“黒”の素は、ゴマペースト? イカスミ?
カレーとご飯の間には、肉ソボロが隠れています。醤油味で甘辛く煮付けられており、これがご飯に合う。カレーと相まって、何ともユニークなおいしさが生まれていました。
後日、カレーの“黒”は竹炭で、生クリームを使って仕上げてあると知りました。また、かつては限定メニューとしてカレーラーメンが考案されたとか。カレーへのこだわりも、なかなかのものですね。
「カレーラーメンを逆転させたラーメンカレーならば、カレー専門店で提供できるのでは…?」などと考えてみたのですが、そこで私の想像力が枯渇してしまいました。