辛い食べ物は夏場がおいしいと言われますが。寒い季節にだって、身体が温まっておいしいはずですよね。
冬場に宮崎市を訪れた時のこと。居酒屋で飲んだ後、店外の寒さも手伝って、辛い物を食べたくなりました。
たまたま、居酒屋の近くに「辛麺屋 桝元」の支店を発見。宮崎で辛い物といえば辛麺ですから、これ幸いと飛び込んだ次第です。
宮崎市の繁華街・中央通りの南側。飲食店などが立ち並ぶ、にぎやかな一角にある路面店です。店内は奥に細長い作り。調度や壁などの色は、赤と黒で統一されています。
壁に面したカウンターに通されました。夜まだ早い午後7時ごろだったけれど、店外には空席待ちが数人ほど。
刺激に油断、ゲホッと咳き込む
私の地元・熊本にも「桝元」の支店があるので、辛麺は経験済みです。そこで今回は、バリエーションのひとつ、カレー味という「カレ麺」を注文。麺はスタンダードな「こんにゃく麺」、辛さは「辛いのは好きだけど/韓国の辛ラーメンは辛すぎる」とメニューで案内されている5辛を選びました。
ちなみに、辛麺はカレー味の他に、イタリアのパスタっぽく仕立てた「トマトの辛麺」や、豆乳と塩麹を使った「白い辛麺」などのバリエーションが考案されている模様。PRのポスターが店内に貼られていました。
しばし待って着丼。マグマを連想させる茶褐色のスープから、湯気がモウモウと上がっていて、眼鏡がくもります。スープの中には、溶き卵らしい細片や、ニラらしい切れ端、ミンチ肉の細粒などが混在。麺は見えません。
箸を差し入れて麺を引き出し、まずひと口。途端にゲホッと咳き込んでしまいました。スープの熱さとともに、ホットな辛さがリアルタイムで襲ってきたのです。油断しました。
涙や鼻水を誘うほどの刺激だけど、それを別にすれば、コチジャンなどに通じる、コクのある甘辛いおいしさが。そこにカレーのスパイスが違和感なく溶け合っています。あんかけみたいな粘りがあるので、ボリューム感が出ており、麺によく絡む。その麺は、ビヨンビヨンとした弾力が、輪ゴムか糸こんにゃくのようです。蕎麦粉と小麦粉が原料とのことなので、韓国冷麺に近いのかも。
スープの底に、ニンニクの小粒が何個も沈んでいました。レンゲですくって口に入れると、ホクホクとした食感と、独特の香ばしさ。口臭の懸念を頭から締め出し、ウマいウマいと食べました。
満腹中枢が満足したようなので、スープは残しました。この残り汁にご飯を入れたら、ジャンクにして素敵なカレーライスになったことでしょう。空腹の時に再挑戦したい。
店を出るころには、上着が要らないほどに暖まっていました。辛いカレーは、やはり冬場だっておいしいのです。