
毎夏の個人的な恒例行事にしていた「芦北伽哩街道」の食べ回り。
2020年の夏は、それができませんでした。熊本県南部を襲った豪雨による水害で、芦北町の大部分が被災してしまったのです。
今回訪れたレストラン「ぎゅーぎゅー亭」は、「街道」の常連参加店。被災で閉店していたのですが、半年を経てリニューアルオープンしました。
南九州西回り自動車道の芦北IC近く。芦北町佐敷の県道27号沿いに建つ、道の駅「芦北でこぽん」に併設されています。
店内はふたつに分かれており、入って左側が椅子席の食堂、左側が座敷席の焼肉レストランです。
ワイルドで力強い
エントランスにある券売機で食券を購入。券売機のモニター画面によると、目当ての「あしきた牛カレー」は、「あしきた牛焼肉定食」に次ぐ2番人気と見られます。地元のブランド牛を前面に打ち出している店なのです。
食堂のカウンター席で待っていると、私の食券番号のアナウンスが。奥の厨房に行き、食券と引き換えにカレーを受け取ります。セルフサービスなのです。
角盆にカレーとミニサラダが載っています。カレーはツヤやかなダークブラウン。あしきた牛らしい肉が並んでいます。肉のサイズは、縦横が3~5センチ、厚さは1センチほど。

欧風のビーフカレーです。実に濃厚で、ドロリと重たい中に、牛肉の旨味が凝縮されています。カレー1さじで、ご飯3さじはイケそう。スパイスの刺激はマイルドですが、どこかオトナ向けな感じが。
牛肉は4切れ。煮込まれてはいるけれど、繊維質が密集し、ザックリとした歯応えです。赤身のものらしい、鉄分のかすかな風味も。ワイルドなおいしさが、強く印象に残りました。
何とも力強いカレーでした。食後にはパワーをもらったような気分に。
水害から復興を果たした、店舗関係の方がたの意志が、カレーに溶け込んでいたのかも知れません。