飲食店の“移転オープン”には、おおむね2パターンあるようです。ひとつは、雰囲気や客層がガラリと変わってしまうケース。もうひとつは、不変の“核”みたいなものが維持されているケース。
今回訪れたカフェ「chang-PLANT(style ZERO)」は、後者に属するでしょう。
熊本市河原町「CHANG-1st」、同市新市街「chang-PLANT」、益城町「栄耀chang」…移転と改名を繰り返しながらも、店主・ナガシマさんの人柄や価値観は、どの店でも隅々にまで行き渡っていました。それは現在も同じ。
店舗があるのは、阿蘇外輪山に近い西原村小森。熊本空港から南阿蘇へ抜ける国道206号沿い。同店所有の移動販売車「B-BIT」の赤いボディが目印です。店内はテーブル5卓に15席ほど。内装は手作り、家具類は古道具と見られますが、全体が不思議とまとまって、温かみのある空間に。
ゴマのカレーやタイカレーなどが並ぶメニュー表から、今回は期間限定メニューを選んでみました。「ZEROのキーマ」と名付けられています。
移ろいつつも不変な“核”
出てきた大皿には、カレー入りのガラス鉢、サフランライス、パパドゥ、パンのスライス、ミニサラダ、漬物の小鉢が。ヨーグルトとチャイも付いています。
油脂が浮いて濃厚そうに見えるものの、意外にあっさりとした味わい。鶏肉の“密度”が高く、ザクザクとした食べ応えです。ホットな刺激にはキレがあり、後口さわやか。独特の酸味が感じられ、ナガシマさんによると「梅干を使ってます」とのこと。
サフランライスとパパドゥ、パンでの、さまざまな組み合わせで楽しめました。
レトルトカレーを売り出したり、移動販売車を走らせたり…さまざまな活動を展開しつつも、不変の“核”を維持してきた同店。これからの“進化”が楽しみです。