熊本県南部の芦北地方で、夏の恒例イベントとして定着している「芦北伽哩街道」。6年目の今回は、芦北町と津奈木町、そして水俣市から、過去最多という飲食店17店が参加しました。
今春に九州新幹線が全線開通したことなどから、観光イベントとして行政側もバックアップしている模様。「街道」の店でカレーを食べると、熊本県の観光キャラクター「くまモン」の缶バッジやストラップがもらえます。
「街道」の各カレーを紹介したパンフレットをにらみつつ、事前に目星を付けていた5店舗を一気に回りました。
“名カレー”や“珍カレー”が
1軒目は「味乃なじみ」。参加メニューの「大人のお子様ランチ」(写真上)は、カレーとハンバーグ、目玉焼き、サラダタマネギのソテーなどを、ひと皿に盛り合わせてあります。牛スジ入りのカレーは、あっさりした口当たりながら、深い滋味が。芦北牛のハンバーグは、肉汁あふれるジューシーさで、これだけでも立派な一品になりそう。焼かれて甘味を増したタマネギも好印象。サラダが付いています。
2軒目は「コラッジオ」。イタリアンレストランですが、「芦北牛のつけめん トマトカレー」(写真上から2番目)で参加。赤いカレーは、濃厚なトマトの旨味と、フルフルに軟らかい牛スジが魅力です。麺はパスタではなく、地元の製麺所に作らせたという、ツルリとした中華麺。温かいカレーと、冷たい麺、食感のコントラストが面白い。おにぎりが付いているので、残ったカレーもおいしく食べられます。
3軒目は「マリーンスポットM」。鶴ヶ浜海水浴場にある“海の家”のひとつです。参加メニューは「揚げ揚げカレー」(写真上から3番目)。合挽肉のカレーあんを、ピザ生地で包んで揚げた、テイクアウトのスナック。揚げギョウザかサモサみたいな外見で、大きさは約10センチ。カレーあんの味付けがしっかりと濃く、溶けるチーズも入っていて食べ応えがあります。ビールに合うでしょうね。
4軒目は「でこぽん」。JAあしきたの物産販売所です。参加メニューは「豚なんこつのトロトロカレー煮込み」(写真上から4番目)で、惣菜として販売。直径13センチほどの容器に、ぶ厚いナンコツが4切れ。煮込み加減が絶妙で、文字どおりトロトロの軟らかさ。醤油味が一般的みたいですが、これを食べたらカレー味以外は考えられなくなってしまいました。おかずにもツマミにもオススメです。
5軒目は「たばくまん」。田浦の道の駅にあるレストランで、参加メニューは「三色カレー」(写真下)。ナポリタンっぽいスパゲティ、チリメンジャコが入った焼き飯、チリメンジャコをお好み焼き状に焼いたもの、これら3品がカレー風味に仕立ててあります。こちらも“お子様ランチ”っぽい風情。どれも素朴で優しい味わい。チリメンジャコの香ばしさが、“海”を感じさせて印象的でした。
知恵と工夫を凝らした“名カレー”や“珍カレー”が登場する、バラエティ豊かなこの企画。毎夏、作る方は大変でしょうが、食べる方としては楽しみなばかりです。