
熊本県南で開催される、夏のグルメイベント「芦北伽哩街道」。芦北町や水俣市の飲食店による、カレーメニューの競演です。
私はイベント初日に5~6店ほど巡り、ユニークなカレーとの出合いを楽しみにしているのですが。2025年の今夏は、所用が重なって出足でつまづき、食べ回りができませんでした。残念。
とは言え、何が起ころうとも“定点観測”のように必ず訪れるのが、芦北町佐敷にある「味乃なじみ」。「伽哩街道」の常連で、いつも工夫を凝らしたカレーを食べさせてくれる店です。
今回の参加メニューは「ぶりカレー」(表記はパンフレット準拠)。店を訪れたところ、ドアに「本日は、御予約の『ブリカレー』のみの営業となります」と書かれた貼り紙がしてありました。早くも人気があるようです。
店内はほぼ満席。みなさん一様にカレーを食べている光景からは、静かな熱気みたいなものが伝わってきます。一角に空席を見付けて落ち着き、カレーを注文しました。
旨味たっぷり 味変さまざま
スープカップに満たされたカレーは赤褐色。大皿に盛られたご飯は紡錘形で、それを惣菜類の小鉢が囲んでいます。色鮮やかなビジュアルです。当サイトでは、カレーをご飯にかけた状態の写真を掲載しています。カレーの具材は、ブリと見られる大きさ約7cmの切り身が2切れ、それにダイコンやタマネギなど。
旨味たっぷりのカレーで、これはトマトに由来するものと思われます。加えて、ブリのダシがしっかりと利いており、「濃厚」とも言えるコクが。ご飯が進みます。スパイスの刺激は穏やかですが、魚のクセは巧みに抑えられています。
3つの小鉢は、ナスのサブジに、赤キャベツとニンジンのアチャール。それらをカレーやご飯に混ぜ込むと、味わいがグンと深まり、食感は複雑に変化していきます。レモンのくし切りや、砕いたナッツも添えてあり、さまざまに“味変”が楽しめるよう配慮されていました。
期待を裏切らない、おいしいカレーでした。満足。

隣の席では、若者2人組がイベントパンフレットのマップを見ながら、次に回る店を検討している様子。なかなか決まりそうにありません。
「芦北伽哩街道2025」には芦北町と水俣市の15店が参加。気温の上昇とともに、これから盛り上がりそうです。