これを書いている現在、国内外で新型コロナウイルスの感染が拡大し、飲食店などで休業が相次いでいます。一方で、テイクアウトや加工食品などの購入によって飲食店を応援しようという動きも見られます。
レトルトカレーを食べることが、わずかなりとも製造・販売元の応援につながれば…と願うばかりです。
今回試食したのは「I LOVE CURRY(鶏)」。奈良県奈良市にある福祉作業所で作られたレトルト製品です。
カシューナッツの香ばしさ
福祉作業所とは、障害のある人たちが働いている施設のこと。さまざまな飲食業が苦戦している中、このような施設は特に応援したいのです。
この「I LOVE CURRY」はシリーズ化されており、試食した「鶏」のほか、「野菜&豆」「キーマ」「牛肉」「海老」の計5種類。各パッケージがひとつながりのイラストになっていたり、「からからむっく」というトウガラシ(?)のキャラクターがあしらわれているなど、なかなかに凝っています。
製造は奈良市のデリカテッセン イーハトーヴ。1食200グラム。
温めてご飯にかけたカレーは、落ち着いた黄土色で、表面にはオレンジ色の油脂が。固形分が多く、野菜類が細かなミゾレ状になって溶け込んでいます。大きさ3~1センチほどの鶏肉を、大小6個ほど確認しました。
スパイシーなチキンカレーです。ペーストにしたカシューナッツ由来の、香ばしさとコクが特徴的。これにトマトの旨味やタマネギの甘味などが加わり、全体をヨーグルトの酸味が引き締めています。表示されている辛さは5段階の「1」ですが、クミンやカルダモンが利いて、風味豊かに仕上がっています。
鶏肉は、脂肪分が少なく、あっさりとした味わい。ポーションが大きいものもあり、食べ応えを覚えました。
完成度が高く、なかなかに本格的な、おいしいカレーでした。福祉作業所の製品には、隠れた逸品があるのです。