九州の茶処として知られる、福岡県八女市を訪れました。
緑茶はもとより、料理やスイーツなど、お茶を活かしたおいしいものにたくさん出合えます。それでもやはり、そそられるのはカレーでした。
目指す店は「八女茶寮」。お茶にちなんだカレーが食べられると聞いていたのです。
八女市の山間部にある星野村。キャンプ場や温泉施設などが集まる小高いエリアに、ガラス張りのモダンな建物が鎮座しています。「茶の文化館」という観光施設で、土産物のショッピングや、茶葉の手もみなど各種の体験、茶会などができます。
施設の奥にレストランがあり、これが八女茶寮です。
テーブル席や小上がりのほか、大きな窓に沿ってカウンター席も設けられています。窓からはひなびた山村が見下ろせました。
印象的な深みや苦味
メニューには、茶蕎麦や茶粥、抹茶パフェなどが並んでいます。
もちろん、私はカレーを注文しました。その名も「玉露カレー」です。メニューの説明によると「八女産の玉露をたっぷり使用」。
しばし待って、カレーが到着しました。オリーブグリーンのポタージュ状で、よく見ると、茶葉らしい緑色の細片が散在しているのが分かります。具材は、豚肉と見られる大きさ2㎝程度の小塊が4個ほど、確認できます。ミニサラダ付き。
マイルドなポークカレーです。旨味が強い半面、スパイスの刺激は中辛より弱めと思われます。
予想したほど「お茶」が前面に出ているわけではありません。ですが、味わいに独特な深みがあって、後味には上品な苦味が感じられ、実に印象的。これらは玉露からもたらされるものでしょう。
お茶の魅力が巧みに活かされているカレーでした。
食後に、この施設の名物「しずく茶」を体験。玉露の旨味だけを、少量の湯で抽出し、和菓子でいただく趣向です。鮮烈な旨味に驚かされました。
市内のカフェで濃厚な抹茶スムージーを飲んだりもして、お茶づくしの八女市でした。