現在の10代や20代でも、マンガ史上に輝く名作「あしたのジョー」(原作・高森朝雄、作画・ちばてつや)を知らない人は少ないでしょう。私はアニメーションで知った世代ですが、ボクシングに我が身を燃やす野生児・矢吹丈と、個性的なライバルたちの激闘に、胸を熱くしたものです。マンガは全巻持っており、何度も読み返しています。うっかり金龍飛戦あたりの巻を開こうものなら、次々と読み進んで、気が付けばホセ・メンドーサ戦まで…なんてことはザラです(内容を知らない人には意味不明でしょうが)。
最近、「ジョー&飛雄馬」と称する各種商品が発売されています。マンガ誌やスナック菓子、食玩(玩具付き菓子)などなど。「飛雄馬」とは、高森朝雄のもうひとつの代表作「巨人の星」(作画・川崎のぼる)の主人公であることは言うまでもありません。かつて全国の少年たちを熱狂させた両作品の再評価自体は喜ばしいことではありますが、過去の名作に頼った商品開発は、現在のマンガに“力”がないことの証明であるような気もします。
それでも、カレー製品まで飛び出し、それが「丹下拳闘クラブ特製」と銘打たれてある以上、私としては食べない訳にはいきません。正直、スーパーで見つけた時は、胸が高鳴りました。
味付けはマンモス西か?
ひさびさに気合いの入ったパッケージに遭遇。派手でベタなデザイン、ファン心理をくすぐるコピー。例えば裏面の、「おっちゃんの特製にしちゃ、うまいじゃねぇか! (中略)だが、ちょっと気を抜くと辛さがパンチみてえに襲いかかってきやがる…」など、あおい輝彦の声が聞こえてきそうです。作り手の明治製菓は、「ジョー」の何たるかをきちんと理解しています。
温めてご飯にかけたカレーは、意外にもビーフ。野菜がほとんど煮溶けている中、牛の細切れ肉が存在感を強くアピールしています。貧乏な丹下拳闘クラブにしては、奮発したものです。辛口で、通常よりもやや辛さが強め。全体的にコッテリとしており、食べ応えがあります。ただ、味わいが単調で、いまひとつ深みに欠ける感じ。味付けは、マンモス西が担当したのかも知れません(マニアネタで失礼)。
カレーには、オマケで15種類の「レトロメンコ」が付いています。私が購入したものには、丹下段平メンコが。納得いかんなぁ。せめて、カーロス・リベラだったらなぁ…(またまたマニアネタでした)。