カレーと駅弁…相性が悪いとは思えないけれど、カレーを“主役”に据えた駅弁は少ないようです。香りが強いカレーは、列車内での食事には向いていないのかも知れません。
ですが、佐賀県有田駅で販売されている「有田焼きカレー」は、JR九州の「九州駅弁グランプリ」の第7回大会で、堂々のグランプリを受賞。駅弁のカレーとしては、全国的な人気を獲得しています。
この駅弁を考案したのは、有田町の「創ギャラリー おおた」。有田焼カレーは、この店でも食べられます。
有田町南原の国道35号線沿い、派出所の近く。上品で落ち着いた雰囲気のカフェです。カウンター5席、テーブルは大小3卓あって12席ほど。小さなギャラリーが併設され、この日は作陶展が開催されていました。
持ち帰れる磁器付きも
メニューは有田焼カレーが中心。ビーフやチキンをトッピングした“豪華版”や、ハーフサイズもあります。私は駅弁と同じタイプのものを注文しました。
直径15センチほどの小丼に入って、熱々のカレーが登場。焦げたチーズが、プツプツと音を立てています。肉厚の丼は有田焼の磁器で、唐草らしい紺色の文様が描かれています。ミニサラダとホットコーヒー付き。
正統派の焼きカレー(カレードリア)です。ネットリとしたカレーは、ビーフを長時間煮込んで作ってあるとのこと。フルーティーな甘味が利いた、欧風の作りです。濃厚ではあるけれど、チーズのまろやかさによって、全体がマイルドな味わいに。
刺激は中辛程度。肉自体は見られないものの、繊維質となって煮溶けていることが分かります。凝縮されたビーフの旨味や、チーズのボリューム感などが印象的でした。
店で食べる場合、“カレーのみ”と“器付き”が選べます。前者の方が当然安価で、私はこちらを食べました。しかし、“ご当地カレー”として楽しむならば、やはり有田焼の磁器も付けるべきだったかも。いささか残念…。