ビートルズのアルバム10作目は、ジャケットが白一色。本来のタイトル『ザ・ビートルズ』よりも、『ホワイト・アルバム』として知られています。
今回試食した「佐賀牛カレー」は、「カレー界の『ホワイト・アルバム』」とも言うべきレトルト製品です。ご覧のとおり、白一色のパッケージ。これに比べれば、無印良品のカレーでさえ、もっとデザインは賑やかですよね。
上品さと野趣が混ざり合う
1食200グラム。販売は北島純二という個人で、佐賀県鳥栖市でカレー専門店などを経営している人物とのことです。
温めてご飯にかけたカレーは、明るめのブラウン。表面を油脂が覆い、ツヤツヤと光っています。サラリとしているものの、固形分は多いらしく、全体としてはミゾレ状。具材は、大きさ2~4センチの、牛肉らしい小塊が4個。クシ切りのタマネギなども入っています。
ユニークなビーフカレーです。口当たりは軽いけれど、旨味が強くてご飯が進みます。トロトロに軟らかなタマネギが特徴的で、その優しくて自然な甘味が、ビーフの味わいを引き立てています。スパイスの刺激は中辛程度でしょう。
4個の牛肉は、少々硬いけれど、ジューシーさは残っていました。
ビーフカレーは欧風が主流ですが、本品には小麦粉のルウが使われていません。一方で、ホタテを入れて旨味を高めるなど、独自の工夫が光っている。上品さと野趣が混ざり合ったような、不思議なおいしさがありました。
この白いパッケージは、「食べてみれば分かるはず」と言わんばかりの、作り手の自信の表われなのかも知れません。