全国に広がる高速道路のサービスエリアやパーキングエリアでは、その土地の特産品が売られ、レストランのメニューには名物料理が並んでいます。
さらに近年、設備が格段に充実し、レストランの質も向上しました。下手な郷土料理店よりおいしかったりします。バブル経済後に流行したレジャー・スタイル「安・近・短」(安価に近場で短期間)の影響かもしれません。
九州自動車道の熊本インター近くにある北熊本サービスエリア(SA)。ここのレストランには、熊本ラーメンから太平燕(タイピーエン=春雨入り中華スープ)などの熊本名物があります。そして、おいしいカレーも。
レストランは全日空系列ホテルの直営。本格的な欧風カレーを出すのです。
九州自動車道を利用する際に寄ってみました。入り口脇の「肥後ビーフカレー」という大きな貼り紙が目を引き、レストランとしても自信作であることが分かります。
フルーティーな酸味 バターライスと調和
パセリのかかったご飯はバターライスで、フライドオニオンとレーズンが混ぜ込まれ、紡錘形に盛られています。カレーには3センチ角ほどの肉塊2個と、野菜の砕片が確認されました。
トロみの強いカレーですが、重さは感じられません。中辛程度でしょうか。トマトやフルーツらしい酸味が前面に出た味わいで、風味豊かなバターをまとったご飯と調和しています。肉はやや硬いものの、ボリューム感がありました。
フルーティーさが際立つ、独特な欧風カレー。周りを見ると、カレーを食べている客がチラホラ。評判なのです。熊本市の“玄関口”で、おいしいカレーが食べられるなんて、素敵なことです。…と思ったものの、私が食べたSAは上り線にあるので、正確には“出口”。下り線の“入口”に当たるSAでも、同じカレーが食べられるのかな?
後日談 下り線のSAのレストランは別経営で、同じカレーは食べられないことが分かりました。食べ損なった人は逆走…はいけませんね。ちゃんと上り線から訪れましょう。