鹿児島県の特産品のひとつが黒酢。健康食品としても知られていますね。
米酢を陶器の壺に入れて長期熟成するイメージが強いようですが、流通している黒酢の大部分は、もっと短時間で作られている模様。鹿児島県内でも霧島市の福山町一帯が“黒酢の本場”とされるそうです。
今回試食したのは「黒酢カレー」というレトルト製品。パッケージには「3年熟成/黒酢使用」などと謳われています。
スペアリブが食べ応え充分
販売は福山町の福山黒酢。「桷志田(かくいだ)」というレストランを経営しており、ここで出されるカレーを製品化したものが本品とのことです。1食は150グラムと、やや少なめ。
温めてご飯にかけたカレーは、褐色に近いブラウン。ゆるいトロみがあります。具材は、肉が2切れ、大きさは約5センチと約3センチ。野菜類は見当たりません。
独創性が感じられるカレーで、フルーティーな酸味と甘味が特徴的。スパイスの刺激は、中辛よりも弱め。デンプン系のネバつく舌触りも手伝って、中華料理の甘酢あんを思わせる味わいです。
肉はスペアリブと見られます。弾力のある繊維質に、軟らかなゼラチン質や、コリコリとした軟骨と、多彩な食感が相まって、食べ応え充分。カレーの量が少ないだけに、大きな存在感を発揮していました。
カレーではあるけれど、全体的な印象は酢豚に近かったような気がします。カレーを酢豚に変えてしまう…そんな黒酢の影響力の強さを実感しました。