独自の世界試食の穴

目からウロコの冷製【カレージュレ】

カレージュレ

 夏はカレーの季節。夏バテで食欲が湧かない時など、スパイシーな刺激が舌と胃袋を活性化させてくれます。ところが、暑さも度を過ぎると、熱い食べ物自体に食指が動かず、素麺や蕎麦をすすってしのぐことになります。

 冷たいカレーがないものか…という要望があったのか、誰かがアイデアをヒネリ出したのか、ここ数年、スーパーなどで冷たいカレー製品を見かけようになりました。カレーをそのまま冷やすと、含まれている油脂が固まってしまうため、それぞれ何らかの工夫がなされています。

 今年は大手のS&Bも、期間限定で冷製カレーを発売。それが「カレージュレ」です。「にぎやか野菜とハムのカレーゼリーよせ」と「ほぐし鶏とマッシュルームのカレーゼリーよせ」の2種類あり、とりあえず後者を購入。味や食感が想像できないまま、おそるおそる、食べてみました。

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フレンチのゼリー寄せを応用

 パッケージ裏の説明通り、冷蔵庫で1時間以上冷やし、温かいご飯にかけました。内袋の切り口からニュルニュルと出てくる様子は、いかにもゼリーです。見た目は、オレンジがかった黄色。透明感があり、タマネギやトマト、細切りの鶏肉などが確認できます。

 結論から書くと、結構イケます。カレーのトロみを、小麦粉や野菜ペーストではなく、軟らかめのゼリーで出したところが最大のポイント。モッタリした重さや脂っ濃さがない半面、ちゃんとご飯に絡む。食感だけなら、海苔の佃煮をご飯に載せて食べているようなもので、大きな違和感はありません。冷たいので辛味はあまり感じないものの、酸味が利き、しっかりとした味付け。ただ、鶏肉が硬いので、歯の悪い人は食べにくいかも知れません。

 フランス料理でおなじみのゼリー寄せですが、カレーに応用できるとは思ってもみませんでした(原材料名によると寒天が使われていますが)。冷やしカレーの、ひとつのスタンダードになるのでは? 暑くても素麺や蕎麦に逃避したくない人には、お勧めのカレーです。

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