巨大組織である自衛隊は、その巨大さゆえに、ひとつの“社会”とも呼べる側面があります。さまざまな分野で独自に製品が作られ、組織内に流通しているのです。
今回試食したレトルトカレー「撃(GEKI)」は、そんな自衛隊のオリジナル製品。オリエンタルの稲沢工場で製造され、防衛ホーム新聞社が販売しています。
まんじゅうやせんべいにも「撃」があり、シリーズ化されているとのこと。隊員が家族のために購入したり、見学者が珍しがって購入したり…そんな“お土産用”としての需要があるのでしょう。
“お土産用”の製品シリーズ
パッケージには、陸・海・空で活躍する各兵器の勇ましい写真が。「昭和レトロ味」と書かれています。内容量は200グラム。
温めてご飯にかけたカレーは、明るい黄色で、粘度はやや強め。サイコロ状の野菜が目立ちます。
肉と野菜の旨味を主体にしたマイルドな味わい。辛さは控えめで、むしろ甘口と言えるかも。肉はビーフの硬い小片が数個。野菜の方が存在感があり、ジャガイモとタマネギ、ニンジン…とスタンダードな構成です。
日本にカレーが伝わった当初の、肉ジャガから派生したというレシピを思わせます。珍しいカレーが氾濫する現在、むしろ新鮮な印象も。
こんな優しい味わいのカレーを食べていたら、戦争なんかイヤになるのでは…ふと、そんなことを考えてしまいました。