熊本県にある観光名所「水前寺公園」。
正式名称は「水前寺成趣園」です。元は肥後藩細川家の大名屋敷で、現在は日本庭園として整備されています。
水前寺公園に向かう観光客の多くは、路面電車「熊本市電」を利用します。その停留所のそばにあるのが、今回訪れた「CAFE LA PAIX(カフェ・ラ・ぺ)」です。
モチモチご飯に合うおいしさ
熊本市中央区の市電停留所「水前寺公園」から、車道を隔てた北側。一見すると何かの事務所みたいな、シンプルな白壁が目立つ路面店です。店名もメニュー看板も、デザインがさり気ない感じで、うっかり見落としてしまいそう。
店内は、2人掛けのテーブル7卓、4人掛けのテーブル1卓。壁が白く塗られていて明るい雰囲気。高い天井にドライフラワーなどがアレンジされていたりして、装飾に独特のセンスが感じられます。
ランチメニューは「カフェラペごはんランチ」「チキンカレーランチ」「クロックムッシュランチ」の3種。私はチキンカレーを選びました。
メニューブックには他に、コーヒーやケーキ類が並んでいます。
最初にダイコンサラダとポタージュスープが出ました。スープの中身はニンジンとゴボウとのこと。続いてカレーが到着。サラリとしていますが、固形分は多そう。手羽元肉が2本入っています。添えてあるのは揚げ野菜。ご飯は赤紫色で、古代米と見られます。
甘味が際立っているチキンカレーです。チキンの旨味を、甘さによって支えている印象。タマネギなどの野菜類がミゾレ状に煮溶けており、それがコクとなって、どこかウスターソースに通じる味わいが。モチモチとした食感のご飯に、不思議と合います。やや遅れて利いてきた刺激は、中辛よりも弱めでしょう。
手羽元肉は骨付きで、スプーンで簡単にほぐれる軟らかさ。半面、ジューシーさや弾力が残っていて、食べ応えにつながっていました。
水前寺公園は近ごろ、外国人観光客が増えてきています。店内を飛び交う話し声に、中国語らしい言葉が交ざっていました。
海外からの観光客には、この店のチキンカレーが「日本のカレー」として記憶されたりするのかも…。奇妙な面白さを覚えました。