棒アイス「ブラックモンブラン」。1969年発売のロングセラーで、メーカーは佐賀県にあります。九州地方ではソウルフードのひとつに数えられるほど。
バニラアイスにチョコレートとクッキークランチがコーティングされています。幼少期の私は、先にチョコとクランチを歯でこそぎ取って味わい、後でバニラアイスをゆっくり楽しむ……という変則的な食べ方をしていました。懐かしい。
今回試食した「ブラックモンブランがカレーになりました」は、製品名が示すとおりのレトルト製品。どのように“カレー化”されているのか、興味深いですね。
九州人ならではの違和感も?
ブラックモンブランを作っているのは、佐賀県小城市の竹下製菓。ですが、レトルトカレーの方は同県唐津市の宮島醤油が製造しています。1食190グラム。
化粧箱の中には、カレーのレトルトパックに加えて、クッキークランチの小袋が。温めたカレーの上に、別添のクランチを「あとのせ」する仕様なのです。
温めてご飯にかけたカレーは、ツヤのあるチャコールブラウン。チョコレートさながらです。そこに小袋のクランチを振りかけると、まさにブラックモンブラン的なビジュアルが現れました。
欧風のビーフカレーです。濃厚な旨味が、ご飯によく合います。スパイスの風味はマイルドですが、やや遅れて感じられる刺激は、中辛よりも強めと思われます。
ミンチ状の牛肉がいくらか入っているようですが、このカレーの魅力はクッキークランチにあります。ひとつひとつは小さいけれど、香ばしい甘さや、ザラリと硬い質感が、強い印象をもたします。味わいのグレードが、クランチによって一段上がっている感じでした。
食べた瞬間、不思議な違和感に襲われるところも、本品の特徴と言えそう。ブラックモンブラン的なビジュアルの影響で、食べる直前までブラックモンブランっぽい味覚を期待してしまい、結果「ブラックモンブランのはずなのにカレーだった」との驚きが生じるのです。……ブラックモンブランの味わいが身体に刻み込まれている、九州人ならではの現象かも知れませんが。