大分自動車道の別府湾サービスエリア。別府湾を見渡せる高台に設けられ、高速道路のサービスエリアとしては有数の人気スポットとされています。
そればかりか、主力商品がカレーという、ユニークな面もあるのです。ゴールデンウイークに行楽で立ち寄った際、初めて知りました。
上下線共用の広い敷地に、瓦ぶきの和風っぽい建物が散在。サービスエリアらしからぬハイソ(?)な雰囲気が漂っています。一帯は「Murata TIME HILLS」と呼ばれ、由布院温泉の有名な高級旅館「山荘 無量塔」がプロデュース。散在している施設は、本格的なレストランやカフェなのです。
土産物店「玄林館」のフードコートでは、「タイムヒルズカレー」というチキンカレーが食べられます。野菜ペーストによるトロみが特徴的で、肉は骨付きの手羽元が2本。鳥天やコロッケなどがトッピングできます。同じ製品名のレトルトカレーも販売中。
豊後牛の強い旨味が
ですが、私が訪れたのは、エリア内に建つイタリアンレストラン「artegio dining」の方。「豊後牛ビーフカレー」と書かれたパネルが、目に飛び込んできたからです。
大分県の食材を活かしたイタリアンや洋食を提供する店で、特別企画としてカレーとハヤシライス限定で売り出しているとのこと。ゴールデンウイークに激増する行楽客対策の側面も?
明るい店内は、木材を活かしたシックな内装、サービスエリアの飲食店とは思えません。メニューは2種類しかないので、迷わずカレーを注文しました。
大皿に盛られたカレーは、ドロリとしていて濃厚そう。具材は煮溶けているようですが、3~5センチの肉塊が3個ほど見られます。ミニサラダとドリンク付き。
マイルドな口当たりの欧風カレーですが、ヒリヒリとしたオトナ向けの刺激も。ビーフの強い旨味がみなぎっていながら、余計な重さもしつこさも感じられません。上品かつ豪勢な印象でした。
別に煮込まれていたらしいビーフは、ホロホロの軟らかさ。ジューシー感も充分で、牛脂の甘味が堪能できました。
豊後牛ビーフカレーの価格はタイムヒルズカレーの2倍超ですが、私は妥当に思えました。ただ、この日は先に豊後牛ビーフカレーを食べていたため、“名物”として押さえておくべきタイムヒルズカレーを食べられなかった。試食販売されていたレトルト製品を味見して「おいしい、かな?」程度に終わったのが、少々残念です。
後日談 「artegio dining」は2011年秋、ピザやパスタなど軽めのメニュー中心になった模様。豊後牛ビーフカレーはもう食べられないのでしょうか…?