グラタン皿にご飯を盛ってカレーをかけ、オーブンで焼き上げたものが「カレードリア」。これは「焼きカレー」とも言いますが、後者の呼称は強い地域性を帯びています。
福岡県北九州市の門司区は“焼きカレー発祥の地”。地元の観光PRなどには必ず登場する名物料理です。
今回訪れた「BEAR FRUITS」は、観光振興の団体「門司港焼きカレー倶楽部」の加盟店。この団体が行ったスタンプラリーの第1回コンテストで1位になったという人気店でもあります。
JR門司港駅のすぐ北側、国道199号線沿い。小さな店ですが、周りに「焼カレー有名店」という幟がはためき、入店待ちらしい人々が群がっているので、すぐに分かります。
焼きたてをハフハフ食べる
白壁に木の床、スッキリとした雰囲気の店内は20席ほど。土曜日の昼下がりだったためか、ほぼ満席でした。
メニューにはオムライスやパスタも載っていますが、来店者の多くは「スーパー焼きカレー」を食べている模様。私も注文しました。
しばし待たされ、出てきたのは長方形のグラタン皿。カレーとチーズが煮えたぎっています。
ハフハフ言いながら口に運ぶと、カレー自体はスパイシーながら、やや軽めの口当たり。食べ進むうち、香ばしく焦げたチーズと、中心部に隠れる半熟状の全卵が混ざり合い、マイルドな味わいに変わります。細切りのピーマンとタマネギが、シャリッと面白いアクセントに。
カレーの量に対し、ご飯がやや少ない感じ。ですが、おかげでカレーが皿の底まで行き渡り、味の印象が強まる半面、食後に感じる“重さ”を軽減しているようです。
卓上に「びっくりスパイス」という小瓶が。中の赤い粉末をかけてみると、マイルドになったカレーにホットな刺激が戻りました。
人気の理由はさまざまでしょう。ただ、観光客の立場から見れば、駅に近い立地や、食後に他の名物も食べられる程度のボリュームは、大きな要素です。