恒例の「芦北伽哩街道」が、今夏も始まりました。
この時にしか食べられないユニークなカレーに出合える、私にとって外せないイベントです。
今回は飲食店16店が参加しており、昨年より3店増えています。新しい参加店を中心に、5店を食べ歩きました。
新規の参加店も刺激的
最初に訪れたのは「芦北うたせ直売食堂 えび庵」。参加メニューは「石えびの旨みたっぷり スパイシーカレー」(写真上)です。
カレーの“主役”は、地元以外にはあまり出回らないというイシエビ。小さいながらも濃い味わいが特徴とされます。茹でて殻を剥いた、大きさ4センチ前後のイシエビ6匹が、ご飯にトッピングされています。カレー自体は家庭風のオーソドックスな作りですが、イシエビの殻から煮出したダシが利いている。口の中いっぱいに拡がる、イシエビの強い旨味や風味が印象的でした。ミニサラダ付き。
次は「ビストロ パザパ」です。「なつこの海老カレー」(写真上から2番目)を食べました。
こちらの“主役”は甘夏ミカンです。ミゾレ状のカレーには、タマネギなどの野菜類に加え、ミカンの果肉も。フルーティーな酸味や甘味が、さわやかさを損なうことなく活かされています。ひと口目からミカンが強く主張するのに、全体がカレーとしてバランス良くまとまっている感じです。殻ごとソテーされていて香ばしい、足赤エビのトッピングもおいしい。完成度の高いカレーでした。ミニサラダ付き。
続いて「味乃なじみ」を訪れました。食べたのは「かっちょの彩鶏(いろどり)カレー」(写真上から3番目)。
芦北牛のスジ肉を煮込んで作られた、コクのあるビーフカレー。パプリカやナス、ゴーヤー、トマトなどの夏野菜が盛り付けてあります。中でも、湯剥きして丸ごと1個トッピングされたトマトが、濃いめのカレーをサッパリと食べさせてくれておいしかった。大きさ6センチほどのチキンカツが2個添えてあり、見た目や味わいの多彩さに加え、食べ応えへの配慮もうかがえました。サラダ付き。
4店目は「ダ・ロープ亭」へ。「ダ・ロープ特製カレー」(写真上から4番目)を食べました。
ビーフカツがドドンと鎮座する、何とも豪快なカツカレー。使われているヒレ肉は、最も厚い部分で3センチを超えています。薄めのコロモが少々焦げていたものの、肉の断面はしっとりとしたローズピンク。レア状に揚がっており、軟らかくて上品な味わいです。カレーの方は重く濃厚で、あっさりとしたビーフカツと好相性。圧倒的なボリューム感とともに、「カツカレーを超えるカツカレーを食べた」との感慨を覚えました。
最後は「道の駅 芦北 でこぽん」。目当ては「KEY MAN(キーマン)伝承カレー」(写真下)です。
惣菜コーナーで販売されているので、購入して自宅で食べました。芦北高校農業科の生徒たちが考案したというキーマカレー。熊本県のJAグループが生産する「りんどうポーク」や、同校製のマーマレードなどが使われているそうです。スパイスの風味や刺激が控えめで、カレーというよりはミートソースっぽい感じ。それでも、肉や野菜の自然な滋味が感じられ、ご飯が進むおいしさでした。
昨年は4店しか回れなかったのですが、今年は思いがけず5店を回ることができました。
各店の開店時間を把握し、早めの移動を心掛けたことが奏功したようです。食べ歩く際は、事前に「芦北伽哩街道」のウェブサイトやパンフレットなどで、行きたい店の情報をチェックしておきましょう。…何店舗も一度に回る人は少ないかも知れませんが。