「江上トミ」という人物をご存じでしょうか? 私は最近教わったのですが、日本のテレビ放送草創期に活躍した、女性料理研究家の草分け的存在だそうです。江上料理学院を創設、多くの人材を輩出しています。
この人は、私が住む八代市の隣、芦北町田浦出身。それが縁で、地元の物産館「道の駅 たのうら」にある地産地消レストラン「たばくまん」では、江上料理学院監修の料理が食べられます。このメニューにカレーがあって、うまいと評判。情報を聞いていた私は、機会を得て訪ねました。
物産館は国道3号線沿いにあり、地元産の食材が人気なのか連日賑わっています。カフェテリア方式の「たばくまん」(地元の方言で「休憩しましょう」という意味)も、100席ほどが昼時はいつも満杯です。
酸味やコク…洗練された印象
名物のタチウオ料理などに並んで、メニューに「江上料理学院監修」の文字が。パエリアや海鮮あんかけ石焼飯などがあります。私は当然、スパイシーチキンカレーを注文しました。
赤みがかったカレーで、具材は煮溶けていて判然としません。温泉卵とナン(3分の1切れ程度)添えられ、彩りにインゲンがトッピングされています。
カレーは中辛程度。トマトの酸味が利いていますが、炒めタマネギのものとみられるしっかりとしたコクも。よく煮込まれた鶏肉は、口の中でホロホロと繊維状にほぐれていきます。温泉卵を崩してカレーに混ぜると、味わいが濃厚かつマイルドに変化。ナンは既製品でしょうが、カレーに合っていました。
物産館のレストランからイメージされる“おふくろの味”的カレーとは一線を画す、洗練された印象でした。近くには「御立岬公園」という観光地がありますし、通りかかったら、立ち寄って食べるだけの価値はあるでしょう。