独自の世界試食の穴

“美白“普及への強い意志【その子 白いカレー】

その子 白いカレー

 世紀末の国内美容界を席巻した“美白”ブーム。何でも白ければ良いというものでもないでしょうが、皮膚ガンの一歩手前まで来ていた一部女性の美的感覚を反対方向に引き戻した点は、私も評価しています。

 ブームとはいろんなものを巻き込んでしまうもので、黄色いはずのカレーまでもが美白化しました。それが今回試食した「その子 白いカレー」です。

 レトルトパックの中身をご飯にかけてみてビックリ。本当に乳白色ではありませんか。その中に肉や野菜が見え隠れしている様は、クリームシチューとしか思えません。

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乳白色なのに味はまさしく…

 食べてみてまたビックリ。味はまさしくカレー、しかも牛肉とニンジン、ジャガイモ、そしてタマネギが入った典型的な和風です。旨味の利いた味わいで、やや強めの辛さ。インドにも白いカレーはありますが、あちらはココナツミルクを使った別モノ。外見と味わいのギャップに少々戸惑いますが、目を閉じて食べると、スパイシーさを抑えた、日本のオーソドックスなカレーであることが分かります。

 白いカレーを食べたからといって皮膚が漂白されるはずもなく、これは一種の“縁起物”でしょう。今は亡き鈴木その子氏の、美白普及への強い意志が偲ばれます。

後日談 販売していたトキノはSONOKOと改称されましたが、「その子」のカレーは健在です。ただ、数種類あるラインナップから「白いカレー」は消えてしまいました。あのカレーは白い幻だったのか…?

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