世にレトルトカレー数あれど、定番を問うならば、きっと100人中90人以上が大塚食品の「ボンカレー」と答えることでしょう。数字に根拠はないものの、私のみならず「そうかもしれない」と誰もがうなずくはず。優しい味わいで好感が持てるカレーではありますが、その「パン」バージョンが発売されるとは夢にも思いませんでした。
パッケージは、松山容子が和服姿でご飯にカレーをかけているレトロな“あれ”。カレー者の心をくすぐる、洒落たデザインです。甘口・中辛・辛口の3種類が、コンビニの陳列棚でひときわ異彩をはなっていました。
食べたのは中辛と辛口。パン粉をまぶした円形の揚げパンで、直径約11センチの手頃なサイズです。
大塚食品了解のもと、九州フジパン製造
結論から言うと、可もなく不可もない無難な味。ネットリと油っぽい食感で、後味に少々酸味がありました。比較的安価な割には肉や野菜がちゃんと入っていて、細かいながらも存在感が。全体的に甘めに仕上げてあるらしく、中辛で普通のカレーパンの甘口、辛口で中辛程度でした。
パッケージの裏には「市販のボンカレーをそのまま使用したのではなく大塚食品株式会社了解のもと、パンに合うように作ったカレーを包みました。」との但し書きが。製造元は「九州フジパン」ですし、発売はファミリーマート。これは“ボンカレーブランド”でライセンス生産されているカレーパンと言えるでしょう。思わず手を伸ばしてしまうパッケージに、「やられた!」と感服したものでした。
後日談 翌2001年夏には「おおから」バージョンも発売。黄金色のパッケージと、炎の形をしたロゴマークが異彩を放っていました。