外食におけるカレーは、おおむね“ランチ”っぽい位置付けでしょう。昼間にしか開いていない店が多いので、しばしば昼食ついでに探訪することになります。
半面、夜間にしか開いていない店には、なかなか訪れることができません。
今回訪れた「くろやなぎ」は、夜間にしか開いていないカレー専門店。しかも、午後10時から午前4時までの深夜営業です。
熊本市中央区の下通アーケードから伸びるクラブ通り沿い、辰巳苑ビルの1階。さまざまな飲食店が入居している通路の奥にあります。居酒屋で食事をし、バーで焼酎を飲んだ後、小さな看板を頼りにたどり着きました。
店内はカウンターのみ6席。壁面の棚には酒瓶やグラスが並んでおり、カレーが食べられそうな気配はうかがえません。
酒食の“締め”として提案
メニューなどが見当たらず、聞いてみれば「カレーは1種類です」。玉子や納豆などがトッピングできるほか、ご飯の量が変えられるとのこと。酒類やソフトドリンクもあります。
今回はプレーンなカレーを食べることにしました。
カウンターの向こうからスパイスが香って、カレーが食べられそうな雰囲気になってきたころ、木製の皿が出てきました。焦茶色のカレーに生クリームが、ご飯にはパセリがかかっています。
欧風のビーフカレーです。味わいはマイルドですが、よく煮込まれているらしく、深いコクが感じられます。スパイスの刺激は、中辛より弱めでしょう。
ビーフはミンチ状。肉の食べ応えはないものの、重たくないので、スルスルと平らげることができました。
酒食の“締め”としてラーメンやお茶漬けを食べたりしますが。この店では“締めカレー”を提案しているそうです。
なるほど、食後に程良い充足感が。深夜に食べるカレーも良いものですね。