当「カレーの穴」のアクセス解析を見てみると、「カレー/ルー/組み合わせ」という言葉で検索し、アクセスしてくる人が多いことが分かります。市販の固形ルーでカレーを作る際、広く知られるコツとして「数種類を混ぜる」があるからでしょう。
どのメーカーの何を組み合わせたらおいしくなるのか…については、当サイトで1998年に検証したことがあり、その結果は「冒険の穴」の記事「カレールーのおいしい組み合わせを探せ!」にまとめてあります。「カレー/ルー/組み合わせ」でアクセスしてきた人は、この記事がヒットしたはずです。
あの実験から10年以上。「十年ひと昔」と言われるくらいですから、情報としては古びています。再検証の頃合いでしょう。
10人の舌で再検証
去る11月8日、熊本のタウン誌編集者・こもくたろうさんのお宅で、カレーパーティーが開かれました。20人近い人々が自作のカレーを持ち寄り、互いに舌鼓を打ち合うという、和やかな集まり。
参加した私は、この機会を利用させてもらい、再度の実験を行いました。
実験方法は、ほぼ前回と同じ。以下のように、メーカー“御三家”の定番を使用、すべて中辛です。あらかじめニンジンとジャガイモ、タマネギを水煮して小分けし、そこに各カレーを同量ずつ4パターンで組み合わせて混ぜ込みました。
・ハウス「バーモントカレー」 米バーモント州に伝わるという、リンゴとハチミツによる健康法を応用。幅広い層に支持される、定番中の定番です。
・S&B「ゴールデンカレー」 35種のスパイスを使った、豊かな風味が特徴。日本の家庭に初めて“本格派”の味を持ち込んだ品とも言われます。
・グリコ「2段熟カレー」(前回は「熟カレー」) “寝かせた味”を生んでヒットした「熟カレー」を改良。コクと香りのルーを組み合わせて“混ぜた味”も表現しています。
検証して下さったのは、カレーパーティー参加者のうち、内田さん、松岡綾さん、ナガノさん、佐美三さん、北山周来さん、こもくたろうさん、masayoさん、今村さん、simple styleさん、福岡さんの10人。ご協力に感謝します。
実験結果は、下表をご覧下さい。食べ比べた評点を集計し、ランキングにまとめました。
2段熟カレーとバーモントカレーの組み合わせが、高評価でした。おおむね、カレールーの混合に、2段熟は向いており、ゴールデンカレーは向いていないようです。また、バーモントは、組み合わせで出来が左右されやすいことも分かります。“御三家”の銘柄すべてに当てはまるとは限りませんが、参考にはできるでしょう。
順位 | 組み合わせ | 主な感想 |
---|---|---|
1 | 2段熟+バーモント | 濃厚、スパイシー、懐かしい味 |
2 | 2段熟+ゴールデン | さっぱり、薄い |
3 | 3種混合 | マイルド、コッテリ、コクが出ていた |
4 | バーモント+ゴールデン | 和風、甘い、あっさり |
photo credit: Mullenkedheim via photopincc
後日談 2013年に再検証しました。「カレールーのおいしい組み合わせを探せ!(3)」をご覧下さい。
追記 多くのアクセスをいただいていることから、内容をまとめ直したサブコンテンツを以下に立ち上げました。こちらもどうぞご覧下さい♪